「神木隆之介も大人になっちゃうよ。と慌てて撮った作品」と語る行定勲監督

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『GO』で数々の映画賞を受賞し一躍その名を知られ、『世界の中心で、愛をさけぶ』で大ヒットを記録、『北の零年』で支持層を広げ、『春の雪』では三島由紀夫の世界に挑む──。新作を発表するたびに話題を集め、今や日本のエンタテインメント界を担う監督となった行定勲。原作を活かしながら、独自の映像世界に昇華させる手腕でも高く評価されているが、実は彼には書き上げてから7年間、温め続けたオリジナル・ストーリーがあった。
8月18日全国公開の『遠くの空に消えた』である。
本作に強い想いをこめられている行定勲監督に聞いてみたー。

■児童ファンタジー映画を撮影しようと思った訳は?
もう、これが最後なんじゃないかな。子供を撮ろうと思う時期が。結構、文藝作品とか大作とかをやって、視点を子供にするわけではなく、子供にまつわった話、子供が主役。小さい世界じゃない?子供のもっている世界が。それをなんかちっちゃい中にディープな世界観を作っていく。それが映画にしてみると、すごく壮大にスケールがあるように見えるっていう。それに映画のまやかしの本質みたいなものを感じているんで、で『子供』と思った。

■本作ができあがっていった経緯は?
今年は2007年、オリジナルをやろうと思いたったんですね。それでこの作品を撮ろうということを思いたって、で今年中に撮りたい。その理由は神木隆之介と大後寿々花がいるからだと。大後寿々花が大人になっちゃうよ。と神木隆之介も大人になっちゃうよ。
神木隆之介君とは前の年の日本アカデミー賞で会って、非常に声変わりをしていたわけですね。僕が想像している映画の中の神木君よりもずいぶん大人になってるわけですよ。
あっ、これはもうタイムアップするぞ。なくなるな。これは時間がないぞという焦りがあって、そこから、もう一回閉じていたシナリオを開いて、今2007年に僕らが作るべき映画はどういうオリジナルの映画なんだろうというところから美術の山口修さんに入ってもらって、イメージ画を描いてもらい。衣装を伊藤佐智子さんにしよう。で行定組の福本、市川っていう、それぞれがちょうどスキルアップしてきた中で。じゃ、今やれる僕らの最大限のイメージを打ち出せる大いなる子供映画を作れっていう。60の巨匠であるんだけれども、一番最年長である修さんが子供のように絵を描いて、想像して。
なんか、そういう中でみんな子供になって、童心に戻ってやるっていう。そういうイメージの氾濫するものを僕がそこをもともと土台があったシナリオも含めてまとめていった。
そういう経緯かなっていう。

行定 勲(監督・脚本)
1968年8月3日、熊本県生まれ。97年、『OPEN HOUSE』で長編劇場映画初監督。第2作『ひまわり』(00)は第5回釜山国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、演出力のある新新鋭として期待を集める。『GO』(01)では日本アカデミー監督賞をはじめ数々の映画賞を総なめし、一躍脚光を浴びる。その後『ロックンロールミシン』(02)、『Jam Films/JUSTICE』(02)を手掛け、『きょうのできごと a day on the planet』(03)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)、『北の零年』(04)、『春の雪』(05)などの作品でヒットメーカーの地位を不動のものとする。2006年に先鋭的映像レーベル“グラスホッパー!”とのジョイントベンチャーで企画/プロデュースレーベル“セカンドサイト”を設立。本作はレーベル第一弾の劇場映画企画として、自身が7年間温め続けたオリジナル脚本により作り上げられた。またこの後には、『クローズド・ノート』の公開も控えている。

○監督:行定 勲
○出演:神木隆之介/大後寿々花/ささの友間