車内レイプ「女性がワルい」記事に「独女通信」が噛み付く

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   ライブドアの「市民記者」が書いた特急電車内でのレイプ事件についての記事に、同じライブドアのニュースサイト「独女通信」が激しくかみついた。この事件は「(被害者である)女性がワルい」という内容だったため、「これはないんじゃないか」と反論に踏み切った。ネット上でも「最低で最悪の記事」といった批判の声が上がっていた。

自己主張しなかったから、レイプされた??

   問題となっている記事は、PJニュースがライブドアに2007年4月26日に配信した「レイプ事件、『一番ワルい』のは誰だ。」と題された記事。06年8月にJR北陸線の特急電車「サンダーバード」車内のトイレで、当時21歳の女性を乱暴したとして男が逮捕された事件について書かれた。

   記事は、PJニュースの市民記者がこの事件について「誰が一番ワルいと思うか」と、電車内やバスなどで女性に意見を聞くというところから始まる。

   そして、市民記者の「突撃インタビュー」に対してはっきりと意思表示をしなかった女性に対し、

「私は『やっぱりだな』と思った。この意思表示しない女性、今時の女性はハッキリしてるからと思いきや、男に対しては驚かないが、喋りの表現の仕方が、はっきり言ってまるでガキ。日本人特有のファジイなのである」

   とした上で、次のようにレイプ事件を評している。

「なぜ、その(周りの人にアピールする)勇気が持てなかったのか。それは、自分が危険であるにもかかわらず、まだウジウジと、拒否の表現をしない曖昧さが、普段から身に付いているのである。結果として、そのファジイがレイプされる事になったのだ。だから、この女性が一番ワルいのだ。自己主張しなかったから」

   さらに、「ミニスカートに、太ももムッチリ、座るとパンツちょろ見え、下着ファッション、場違いノースリーブ」をファッションとして心得ている女性が、「本物の痴漢世界を許容している」といった具合に、言いたい放題の批判を繰り広げる。

女性全般が不快に思った

   この記事の配信直後から、「はてなブックマーク」ではこの記事へのブックマークが100以上つけられ、「この事件で最低で最悪の記事ですな」「ひどすぎる」などと批判のコメントが相次いだ。

   これに対し、同じ ライブドア で女性の話題を中心に取り上げるニュースサイト「独女通信 」までもが噛み付いた。

   同サイトの07年6月18日付けの「独女通信がPJ記者に物申す」と題した記事では、

「女性から見ると、この男性記者の言い分は女性を取り巻く世界をまったく理解していない、的外れなものだといえる」

と厳しく批判。

自分より腕力の強い人間に、デリケートな部分に土足で踏み込まれたときの恐怖感が想像できていない。見知らぬ「ネットジャーナリスト」にいきなり話しかけられても本音は言えない。服装の派手さと痴漢被害が直結しているわけではない。「被害にあった女性が悪い」と言うのは、窃盗の被害者に「お金を持っているのが悪い」と言うに等しい。

   このように、「女性の視点」から徹底的に批判している。

   女性の「ホンネ」を描くことが多い「独女通信」にしては珍しい「直球」記事。そして、ともにライブドアにニュース配信している間柄でありながら、ここまで「噛み付いた」のはなぜなのか。

   「独女通信」担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、次のように話す。

「(ライブドア社内などで)女性全般が不快に思ったところからはじまりました。『これはないんじゃないか』と。(PJニュースの配信先が)ライブドアだからと言っても反論したい、女性を代表したニュースサイトとして『一言言っておきたい』という気持ちがありました」

   PJニュースの配信後、ライブドアには「セカンドレイプではないか」とPJニュースの記事を批判するメールが50通ほど寄せられていたという。そうした反響もあり、「黙ってられない」と反論記事の掲載に至ったようだ。