防衛省

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安保3文書に明記へ

 防衛省は、相手のミサイルなどの射程圏内に入り、電磁波でレーダーや通信を無力化する無人の電波妨害機「スタンド・イン・ジャマー」を自衛隊に導入する方向で検討に入った。

 侵略を企てる敵の艦艇などに接近して電子戦を展開できる能力を備え、抑止力を強化する狙いがある。政府は年内に改定する防衛力整備計画など安全保障3文書に、自衛隊への導入を明記する方針だ。

 複数の政府関係者が明らかにした。防衛装備庁は、無人機への搭載を想定した電波妨害装置の研究を2024年度から始めており、28年度の完了を目指す。

 スタンド・イン・ジャマーは電波妨害装置を搭載した無人機で、相手に近付いて防空網や通信網を無力化し、味方の航空機や艦艇を支援するのが目的だ。比較的安価な無人機は多数の導入が可能となり、人的損害を抑えられる利点がある。航空機からの発進が有力だが、地上の発射装置や海上自衛隊の護衛艦から飛び立てるようにする案もある。

 ロシアによるウクライナ侵略など近年の軍事作戦では、敵のレーダーや通信を妨害、無力化する電子戦が幅広く行われている。北大西洋条約機構(NATO)や中国軍は、相手の攻撃を効果的に阻止できる能力の向上を急いでいる。英国などに拠点を置くミサイルメーカーは、空対地ミサイルに電波妨害装置を搭載した無人機を開発している。

 こうした情勢を踏まえ、日本でも戦闘機など通常兵力とは異なる戦術で相手の弱点を突く「非対称戦」の有効な手段として、電子戦の能力向上が欠かせなくなっている。無人機を活用した「新しい戦い方」への備えは急務で、自民党が政府に提出した安保3文書改定に向けた提言には「電磁波の利用方法を拡大し、早期装備化を推進すべきだ」と盛り込まれた。

 防衛省は電子戦の手段を多様化させ、抑止力の強化につなげたい考えだ。

 航空自衛隊は6月、岐阜基地(岐阜県)に相手の射程外から電子戦を行う「スタンド・オフ・電子戦機」1機を配備した。輸送機「C2」に長距離から電波妨害が可能な装置を搭載し、来年度から運用を始める。将来的には、高性能な電子戦機と無人のスタンド・イン・ジャマーを組み合わせることで、効果的な運用を目指す。