「みどりの感謝祭」に出席された佳子さま(2026年5月9日、撮影/横田紋子)

写真拡大

「○○売れ」とは、有名人が使ったり、食べたりしたことをきっかけに、ヒット商品となる現象のことを言う。「佳子さま売れ」「キムタク売れ」「マツコ売れ」と、タイプが異なる「○○売れ」について、臨床心理士の岡村美奈さんが分析する。

【写真】キムタク売れジャケット

 * * *
 秋篠宮家の次女・佳子さまが5月9日、第35回森と花の祭典「みどりの感謝祭」にお出ましになった。昨年、話題になった「カメリアプリントワンピース」をお召しになって出席し、再び注目を集めている。

 白い生地にカメリア(椿)の花と新緑の葉が描かれ、鮮やかな緑がこの新緑の季節に、そしてみどりに感謝するこの式典にぴったり。白が基調のため顔色が明るく見え、大きなカメリアのプリントが華やかさやあでやかさを演出。ボウタイや袖口、ベルトの黒がアクセントになり、柔らかく甘いだけでなく、落ち着いた気品を印象づける。

 2025年6月のブラジル訪問時をはじめ、これまでたびたび、お召しになっているこのボウタイワンピース。「Viaggio Blu」(ビアッジョブルー)というブランドのワンピースで、お値段は5万9400円(税込み)。庶民にも手が届く価格なのに、清楚で華やかだと注目され、再販後も完売するほどの人気から”佳子さま売れ”と呼ばれた。

 2024年5月にギリシャのパルテノン神殿を訪問された際にお召しになっていた青のサマーニットや、岐阜を訪問された際に着けられていた美濃焼のイヤリングなど、次々と「佳子さま売れ」が起こる理由の1つに「ハロー効果」がある。

 ハロー効果とは、目立つ特徴に誘引されて、人や物事の評価が変わること。佳子さまが着用したことでハロー効果が発生し、ワンピースは旬のファッションとして素晴らしさが世間へ知られ、価値が再発見された。さらにマナー違反の恐れがないお墨付きを得たアイテムとして安心できるのは、佳子さま着用だからこその効果だ。

「キムタク売れ」と「マツコ売れ」

 その人が着ているだけで服やアクセサリーが注目され、価値が出るというのは佳子さまに限らない。

 俳優でタレントの木村拓哉さんがバラエティー番組『秋山ロケの地図』(テレビ東京系)で防寒のため着用したワークマンの「ダイヤフリース裏アルミジャケット」(1900円)もそうだ。彼が番組で着用した途端に売り切れて、高額転売まで出た。

 これも佳子さま同様、キムタクが着ることで価値が出るハロー効果が生じている。加えてその実用性や機能性を再評価する声も高まり、誰でも買える値段で、スーパースターと同じようになりたいという「同一化」の欲求を満たすことができることもあり、”キムタク売れ”となった。

“売れ”といえば、食品業界には”マツコ売れ”が存在する。タレントのマツコ・デラックスさんが「おいしい」と紹介すると、その食べ物が売れに売れるのだ。

 かつて『マツコの知らない世界』(TBS系)で紹介された富山のローカルフード「とり野菜みそ」は、番組で紹介されたのをきっかけに全国区になり、その後もマツコ売れが次々と起きた。今年1月のコーンスープ特集では、「コーンの量もすごいね」「さすが北海道」と完食した「よつ葉北海道ミルクのスープ・コーン」もバカ売れとなった。

 もちろん、テレビ番組の場合は、料理やお菓子の色や盛り付けなど、見た目の演出によって美味しそうに見せる技術が使われている影響もある。そこにマツコさんによるハロー効果がプラスされ、”マツコ売れ”が起きるのだ。

 食通といわれる評判にくわえ、ふくよかな体型から美味しい物を沢山味わってきたイメージがあり、番組で紹介する時はいかにも美味しそうに食べている。マツコさんが実食して絶賛すればハロー効果が発動し、視聴者は心理的にその食べ物はおいしいはずだという期待を持つ。

 紹介された食べ物は誰でも買える値段がほとんどで、オンライン販売されているものも多い。それなら一度、期待するほど美味しいか試してみようという気にさせるのが”マツコ売れ”だ。

「○○売れ」と聞けば、流行りに乗ってついつい財布の紐を緩めてしまうのも人の心理なのだ。