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政権交代を目指し、衆議院の立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合。衆院選直前に結党され、歴史的大敗を喫しました。今後の見通しが立たない中、落選した議員たちはいま、何をしているのか。“前”議員2人を取材すると、苦悩する姿が見えてきました。

■今なお立憲民主党時代のポスターが

4月、さいたま市にある事務所を訪ねました。その前に置かれた看板には、「衆議院議員」の上に「前」という文字が加えられていました。

中道改革連合の枝野幸男元官房長官
「いま思うと、これ(衆議院議員と)入れなければよかった。初めから。ただの枝野幸男にしとけば、こういうことしなくてよかった。(テープで)とりあえずもつなら、これでしばらくもたせよう。そんな感じで」

窓には、立憲民主党時代のポスターとボードがありました。「あるもの使わないともったいないでしょ。だって中道のポスターは選挙本番のしかなかった。元々のポスターもったいない。資源の無駄でしょ」

■11回連続当選も…初めて落選

2月に行われた総選挙で政権交代を目指し、衆議院の立憲民主党と公明党は、中道への合流を選択。解散前夜に結党大会を開くなどギリギリ間に合わせて挑むも、結果は歴史的大敗。中道改革連合は、公示前から120議席近く減らす結果となりました。

29歳で初当選してから11回連続当選を重ね、民主党政権時代に官房長官を務めた枝野さんも、初めて落選しました。現在は、元々資格を持っていた弁護士の仕事と、講演や執筆活動をしながら国政復帰を目指しているといいます。

枝野さん
「スタッフも別のところに移ってもらったりとか、そんなのに追われて、あっという間の2か月という感じですね」

■「固定費はどうにもならない」

その環境は大きく変わりました。

JR大宮駅から徒歩5分の場所にあった事務所は、駅から徒歩15分の場所に移転。家賃の安い事務所に引っ越しを余儀なくされました。事務所は以前より狭くなりましたが、家賃は約3分の1に。

枝野さん
「人件費と家賃という固定費は、どうにもならないんで。駅から(距離は)3倍ですね。3倍まではないかな、3倍弱かな。(秘書は)7人が3人。3.5人というか」

月額約130万円の国会議員としての給与や、国から支給されていた秘書の給与などもなくなり、家賃や秘書の人数を削らざるを得なくなりました。

■「中道」結党のプロセスに思うこと

ある日、立憲民主党に所属する埼玉県内の4人の市議が、枝野さんの元に相談に訪れました。

川口市議の今田真美さん
「私がこの中道の騒動とかで悩んでいて、立憲はこのままどうなるのかとか、私自身がこのまま立憲にいるべきなのか、どうなのかみたいなのを、ちょっと」

立憲と公明が合流し、「中道」となったのは衆議院だけの話。地方議員が「中道」と「立憲」どちらに所属するのかはまだ決まっていません。

枝野さん
「この間の選挙に至る中道結成のプロセスが、自治体議員の皆さんにもまったく意見を聞く場すらないまま走ったのは間違いなのは確かなので、私で役に立つことがあれば」

相談された枝野さん自身も、「中道」結党のプロセスには思うところがあります。「こんな短い期間で政党の枠組みを見えにくい、わかりにくいところで変えたということについて、伝わらなかったのは間違いないわけで」

中道は、大敗した衆院選について「選挙目当ての急造新党」との批判を払拭できず、党のイメージや立ち位置を有権者に伝えきれなかったなどと総括しました。

落選議員からは、「中道の看板では戦えない」「立憲民主党に戻りたい」との声も上がっていて、「中道」の先行きは不透明です。

■落選後も続ける朝の街頭演説

党の存続もわからない中で、落選の現実に向き合う議員はほかにもいます。中道ののぼりを背に演説をする酒井菜摘さん。

「おはようございます、気をつけて行ってらっしゃい」。国政復帰を目指して、落選後も朝の街頭演説を続けています。

国会では、がんと闘った経験から高額療養費制度の問題などに取り組みましたが、落選。街頭でマイクを握り、「事務所の家賃の支払いが厳しい状況になっています」と話しました。

落選で収入がなくなった酒井さん。貯金を取り崩しながら、政治活動と日々の生活を両立しているといいます。

■「家賃が負担」…思い出の場所を整理

4月、東京・門前仲町の駅前に構えていた事務所を訪ねました。酒井さんは「きょう全部、ここは空っぽになります」と言います。月28万円の家賃は落選後、重い負担になり、引き払うことになりました。

「拠点だし、みんなが集ってきたところだったので寂しさはありますけど…。しょうがないですね。28万円はちょっと厳しかったです」

思い出の場所の片付けを進めていく酒井さん。どうしても捨てられないモノがあるといいます。酒井さんが、カラフルなのぼりを手に取りました。

「こののぼりは、女性の声が政治を変える、立憲民主党ののぼりなんですね。女性がまだまだ政治分野に少ない中で、ずっとこの旗を立てて活動してきたんです。なのでこれは、立憲は離れたものの捨てられない。これはちょっと取っておいています」

■立憲時代の政治活動費から大幅減

多くの政党では、落選中でも候補者には事務所の維持費や政策を伝えるビラの作成など、「政治活動」の費用として、一定の金額を支給しています。しかし中道は議員が減ったことで、立憲時代と比べ政党交付金も大きく減りました。

「活動費が本当に党からも下りてきてない中で、残っている活動資金でやりくりしなきゃいけないので、結構切実なんですよね」と酒井さんは漏らします。

中道は先週、落選者への政治活動費の支援策を決定。ただ、立憲時代に支払われていた「活動費」の月50万円からは減少する見込みです。

■年間5000円の後援会を設立

4月26日、酒井さんは支持者を集めて意見交換会を開きました。

支持者
「これ先どうなんですか。参議院はそのまま立憲として残るんですか」

酒井さん
「現状は来年の統一地方選後に決めるということで、結構先延ばししている感がありますよね」

この場で酒井さんは新たに、年間5000円で加入できる後援会を設立したことを報告。支持者に協力を求めました。

酒井さん
「率直に言って月50万円ぐらいの政治活動のお金がかかるんですね。もちろん、私の生活費は入っていません。何かしらの引き続きのご支援を何卒お願いをしたいと思います」

政治活動を続けるための決断とはいえ、酒井さんは「やっぱり5000円はちょっと負担だろうなとか…」と不安をのぞかせていました。

落選から2か月で、10人ほどが加入したといいます。別の支持者は「月50万っていうところには程遠いというところですが、何かしらのお支えをしたいという思いで…」と話しました。

■代表も「どうなるのか」…今後は?

酒井さん
「最初に挑戦する時に、10年間はやると決めたんですよ。家族の時間も大切にしながら、揺らがずにやることは決めています」

政権交代を目指している中道ですが、党の今後をめぐっては小川淳也代表すらも5月8日、「この先どうなるんだろうという問いが消えないまま、3か月4か月たっているんですね」と述べました。

中道は今後、どうなるのか。党の立て直しには、厳しい道のりが続きます。

(5月20日『news every.』より)