「海洋」は成長分野、政府がドローンなど3本柱で政策パッケージ…官民投資を促す
政府は、「海洋」を成長分野の一角と位置づけ、官民投資を促すなどして政策の重点化を図る。
海洋国家である日本の強みを生かせるとみているためで、海洋ドローン(無人機)の開発や国産資源の採掘・開発などを3本柱に据え、海洋安全保障を確保するとともに、関連産業の海外展開も後押しする構えだ。
海洋政策は、高市内閣が掲げる「戦略17分野」の一つ。従来は防衛利用などの官需中心だったが、政府は新たな民需につなげるため、▽海洋ドローン▽海洋状況把握(MDA)▽革新的海底開発技術・システム――を3本柱と位置付け、それぞれの現状や目標などを明記した政策パッケージをまとめた。
海洋ドローンは、海中用の自律型無人探査機や海上を航行する無人船などの総称だ。欧米を中心に石油・ガス開発、安全保障分野などでの活用が進んでおり、デュアルユース(軍民両用)技術の一つとして市場拡大が見込まれている。
政府は、海洋ドローン本体に加え、水中充電や水中通信といった技術開発への官民投資を加速させたい考えだ。防衛や資源・エネルギー分野での需要を創出するなどして、将来的に世界市場で3割のシェア獲得を目標に掲げた。
MDAは、海流や潮流、海底地形といった海洋データを収集し、航路設定や安全保障に活用するもので、海洋政策の情報基盤となる。
政府は、海上保安庁が運用する海洋状況表示システム「海しる」の機能強化や、海洋ドローンによる情報収集能力の向上に力を入れる。その上で、2030年代前半までに、日本独自のMDAサービスを東南アジア諸国連合(ASEAN)や太平洋島嶼(とうしょ)国など8か国程度に輸出することを目指す。
海洋由来の国産資源を巡っては、国際情勢に左右されない安定的な採掘・開発の商業化も打ち出した。
レアメタル(希少金属)を含む鉱物資源「マンガン団塊」について、29年度に実証実験を実施し、30年代前半にも商業生産を始める。南鳥島沖(東京都)のレアアース(希土類)開発の取り組みも進めるとしている。
