【玉ノ井親方 視点】不気味なのは義ノ富士 霧島優位も3敗の宇良も普通では考えられないような残り方
賜杯を懸けた星のつぶしあいが始まった。
霧島が琴勝峰を下してトップを守った。大きな白星となったが、不気味な存在は義ノ富士だ。
くせ者の翔猿との一番は、相手の出方を気にせず、自分から攻めて主導権を握り、押し切った。ちょんまげから大銀杏(おおいちょう)を結えるようになった今場所は、力強さが増している。
序盤こそ2大関と若隆景に敗れ3連敗したものの、ここにきて勢いが出てきた。離れて良し、組んで良しの万能タイプ。学生相撲出身らしく、相撲のうまさには定評がある。穴が少ない力士だけに、最終盤に入って、目が離せない存在になってきた。既に上位陣との対戦も終えており、メンタル面でも乗っていけるのは間違いない。
もちろん、現時点では霧島が優位なポジションにいる。ただ、何が起きるか分からないのが相撲の難しさであり、面白さでもある。3敗の宇良も普通では考えられないような残り方をするタイプで、相手からすると嫌な存在。ましてや賜杯が目の前にちらついてきて、一つも落とせない状況で対戦しなければならないとなったら、神経も使う。
このコラムでいつも言っていることだが、肉体的にも精神的にもきつくなる13日目からの3日間が本当の勝負。3敗の力士までは十分チャンスがある。(元大関・栃東)
