NATO軍がウクライナの無人機撃墜、エストニア領空に誤侵入か…ウクライナ「露が針路を変更させた」
【ベルリン=工藤彩香】エストニア国防省は19日、同国領空に誤侵入したとみられるウクライナの無人機(ドローン)を北大西洋条約機構(NATO)軍が撃墜したと発表した。
バルト3国ではウクライナによるロシア攻撃の拡大に伴い、無人機の侵入が相次いでおり、影響が広がっている。
エストニア公共放送ERRによると、無人機は19日に同国南部に侵入した。民家に接近したため、NATOの任務で周辺空域を警備していたルーマニア軍機が撃墜した。
ウクライナ外務省報道官は19日、SNSへの投稿で「ロシアが(電波妨害などの)電子戦で無人機の針路をバルト海に向けて変更させている」と説明し、エストニアに謝罪した。再発防止に向け、ウクライナの専門チームが原因究明に取り組む考えも示した。
20日にはリトアニアでも無人機が目撃され、空港が閉鎖された。ウクライナの無人機かどうかは不明だ。
ロシアは、バルト3国がウクライナの無人機の領空通過を容認していると一方的に主張している。エストニアのハンノ・ペフクル国防相は19日、「エストニアは同盟国以外に領空使用を許可しておらず、ウクライナも許可を要請していない」と強調し、ロシアの主張を真っ向から否定した。
無人機の侵入は思わぬ余波を広げている。ラトビアでは、無人機の侵入後、防空体制の不備の責任を問われて10日に国防相が更迭された。これがきっかけとなり、連立政権が崩壊し、エビカ・シリニャ首相も14日に辞任を表明する事態に発展した。
タス通信によると、露対外情報庁(SVR)は19日、「ウクライナがラトビア領内から対露攻撃を準備している」と発表した。ラトビア内政の混乱に乗じて、ロシアが世論分断を狙った情報戦を仕掛けている可能性もある。
