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 ◇大相撲夏場所10日目 ○正代(はたき込み)霧島●(2026年5月19日 両国国技館)

 意外な結果になった。正代は勝ち星が伸びていないとはいえ、優勝経験もある元大関。霧島にとっては、取りづらさがあったのだろう。立ち合いの当たりは良かったが、その後の二の矢がなかった。

 正代は下から右、左とぐいぐいかいなを入れて、自分の形をつくるのが得意。霧島はそれを警戒して動きが慎重になった。足が前に出ず、両足がそろったところを正代にタイミング良くはたかれてしまった。

 8日目の豪ノ山戦の黒星は、主導権を握って攻めながら、詰めの甘さが出て今場所の苦杯を喫した。しかし、この日は相撲内容そのものが悪かった。最近の大関にしては珍しい負け方だった。

 これで2敗に6人が並ぶ大混戦となった。さらに1差で義ノ富士、朝乃山らが続いている。3敗までは優勝争いの圏内。ここから、星のつぶし合いが始まるが、何が起きるか分からないのが相撲の面白さ。

 あす11日目に組まれた、霧島と若隆景による注目の一番は、13日目以降の最終盤にとっておきたいような、楽しみな対戦だ。

 若隆景は前日、琴勝峰に敗れたが、この日は巨漢の熱海富士を相手に力強い相撲を取った。低い前傾姿勢を崩さず、素早く前まわしを引いて前に出た。一度、まわしを切られたものの、右を差して相手の腰を浮かせて寄り切った。

 こういう内容のある相撲で勝つと、気持ちもまた乗っていく。一方の霧島は、勝ち越しを決めた翌日に中身のない相撲で敗れた。勢いからすれば、若隆景に分がありそうだが、さてどうなるか。いずれにしても今場所の優勝争いを左右しそうな一番になりそうだ。(元大関・栃東)