ホントに高市応援団なの? 『国力研究会』発起人に名を連ねる麻生、進次郎、小林“それぞれの思惑”
麻生氏個人の思惑も
本当に“高市早苗(65)応援団”なのだろうか……。
5月7日に明らかになった自民党内の議員グループ『国力研究会』。5月21日には第1回の会合が開かれる予定だ。
永田町で注目されているのが、その発起人の豪華さだ。
筆頭は麻生太郎副総裁(85)。そこに小泉進次郎防衛大臣(45)、茂木敏充外務大臣(70)、小林鷹之政調会長(51)など、政権の中枢に座る大物がずらっと名を連ねる。
「この会は、高市首相を支えるために立ち上げられたもの。それを主導したのが麻生氏でした。しかも’25年の総裁選で高市首相と争った進次郎さんらを発起人に名を連ねさせたあたりは、さすがとしか言いようがありませんね」(全国紙政治部記者)
党内基盤が脆弱と言われていた高市首相。しかも2月の解散総選挙で相談がなく“すきま風”が吹いていると言われた麻生氏が筆頭になって“応援団”を設立したことになる。
そこには麻生派の“派閥事情”があるという。
「自民党内で現在も存在する唯一の派閥である麻生派ですが、麻生さんの後継者がいないという大きな問題がある。つまり、麻生派内に総理候補がいないんです。過去に総裁選に出馬したこともある河野太郎さん(63)は意欲満々ですが、麻生さんの覚えはめでたくないですし、何より派内の人気がない。麻生さんとしては、存在感を示すためにも、自身が首相に押し上げた高市さんに頑張ってもらいたいのです」
それだけではない。
「麻生さん個人の思惑もからんでいるのでは」
と話すのは、ある自民党関係者だ。
「85歳の麻生さんにとって、もっかの関心事は自身の選挙区を長男か長女に継がせること。ですが永田町以上に地元・福岡では、すんなりいかない複雑な事情があるのです」
副総裁として絶大な権力を持つ麻生氏だが、そのお膝元は波乱に満ちている。
「福岡には麻生さんと“犬猿の仲”である大物・古賀誠さんがいる。『麻生が右と言えば、古賀は左と言う』と地元で言われるほど、2人の不仲は有名です。’12年に政界から引退した古賀さんですが、現在も宏池会の長老としての隠然たる力を保持していますよ」(同・自民党関係者)
タカ派の麻生氏とハト派の古賀氏。そのウラには、政治信条だけでは語り切れない、地元での“恩讐”があるという。
微妙な立場の茂木外務相
「麻生さんと古賀さんは同じ自民党でありながら、県知事選や福岡6区補選などで、何度も対立してきました。しかも、麻生さんは古賀さんだけでなく、福岡11区の武田良太元総務相ともぶつかり合っている。次の総選挙で麻生さんはどちらかのお子さんに地盤を譲るつもりでしょうが、地元の福岡県連は一枚岩ではない。麻生さんとしては、どんな嫌がらせが入るのか不安になるのは当然でしょう」(同・自民党関係者)
“世襲”に関して、世間の目は厳しい。2月の総選挙では、高市首相の義理の息子である山本建氏が、一度は出馬表明したものの、福井2区からの立候補をとりやめている。
「だからこそ麻生さんにとっては来年9月の総裁選で高市首相に続投してもらい、なんとか次の総選挙でスムーズに子どもの公認を出してほしいという思惑もあるのでは。高市首相の続投=麻生家の安泰なんです。そのための国力研究会と言っても過言ではないでしょうね」(同・自民党関係者)
と麻生氏の思惑を推察する。
実際、天敵である武田氏は5月14日にグループとして同会への参加を表明した。元々、高市首相に近い武田氏だが、麻生氏にとっては大きな収穫となるはずだ。
麻生氏の号令のもと、発起人に名を連ねた小泉氏、小林氏といえば、次期総裁候補に名が挙がる人物。それでも“高市応援団”に入った理由について、政治評論家の有馬晴海氏は
「進次郎氏と小林氏はまだ若いですから、来年の総裁選で高市さんに真っ向勝負を挑んで敗れるよりは、防衛大臣や政調会長として、実績を積んでおいたほうが得策とみたのでしょう。2人とも派閥はないですから、立候補するとなれば人を集めないといけない。特に小林氏にとって党の政調会長という役職は、自身を売り込むには絶好の立場なんです」
と分析する。
そんななか、微妙な立場となっているのが茂木氏だ。’24年、’25年の総裁選に立候補し、敗北している。
「茂木さんにとっては、次の総裁選がラストチャンスといっていいでしょう。でも、あえてこの会に入ったのは、高市氏からの“禅譲狙い”という話も出てきていますよ。高市首相は就任前から体調問題を抱えていますし、何よりトランプ大統領との関係が近すぎて、イラン情勢次第では共倒れの可能性もゼロではない。もし、“総理辞任”となったときのために、高市首相や麻生氏に恩を売っておきたい、近づいておきたいということなのでしょう。事務能力は高いですから、非常事態になれば“茂木待望論”が出てくる可能性もなくはないですから……」(テレビ局政治部記者)
それぞれ、腹に一物を抱え参加した面々。それでも、最も得をしたのはやはり高市首相という。
「党内基盤が脆弱だった高市首相にとって、この国力研究会は大きな支えになるのは間違いない。当然、麻生氏へ感謝しているでしょう。ウラを返せば、麻生氏の発言力が政権内で大きくなったとみるべきでしょうね」(同・有馬晴海氏)
一寸先は闇といわれる政界。権力の頂点へ向け、それぞれの思惑を抱えているようだ。
