大学に在籍しながら別の大学を目指して受験勉強を続ける「仮面浪人」。2015年には3.6万人だったが、2026年には5.6万人にまで増加しているという。

【映像】九州大に通いながら、京大目指し仮面浪人する男性の“1日のハードスケジュール”(実際の映像)

 なぜ合格を手にした大学に通いながらも、別の道を目指すのか。『ABEMA Prime』で当事者たちに話を聞いた。

■ 1日目の数学で「来年もここにいる」と直感

 京都大学への憧れから、現在、仮面浪人をしている後白浪氏(19)は 、「一浪した時の入試の結果が思うようにいかなくて、それがずっと悔しくて、もう1年頑張りたいという気持ちがあった。1日目の数学の手応えがあまりにひどくて、試験中に『あ、俺この会場に来年もいる』と思った。だったらその通りにしてやろう、次はしっかりやってやろうと腹をくくった」 

 数学は浪人生活で最も力を入れた科目であり、その出来が自身の成長を測る指標でもあった。京都大学へのこだわりについては、「中高時代から憧れていた先輩が京都大学にいて、その人の影を追いたいというのもある。やるなら最後までやり切りたい」との意気込みを語った。

■大学の単位、予備校、アルバイト…過酷なマルチタスク

 旧帝大に通いながら、仮面浪人を1年経験するも京都大学に不合格となり、2年目を続けると決断した都落ろう氏(19)は、「この1年間、SNSの仮面浪人アカウントを通じていい仲間ができた。彼らからも応援され、親からも『それだけ叶えたい夢なら頑張りなさい』と言ってもらえたので、最後のチャンスだと思って決めた」と明かす 。

 都落ろう氏は大学に通いながら、代々木ゼミナールの特待生としてダブルスクールを行い、さらに週3日の塾講師アルバイトで試験費用を稼いでいる。「普通の大学生をやりながらの受験は、かなりのマルチタスクだ。スケジュール管理が本当に大変。でも、模試で順位がついたり、全国の猛者たちと競い合ったりするのが、もはや青春のようになっている」。

■ 受験は「教育」か「競技」か?

 プロデューサーの若新雄純氏は、仮面浪人が増える背景について、「受験勉強はスポーツに似ている。特に旧帝大などの難関校に受かっている人は、もともと勉強が得意だった。あと一歩でメダルに届かなかった悔しさが、アイデンティティや執念に変わっている。大学に入ってから何を学ぶかという話とは別に、競技として『自分が納得するまでやりたい』という営みが確立されている」との見方を示した。

 もし合格して受験勉強が日常からなくなったら、寂しいのではないか。後白浪氏は「絶対寂しいと思う。合格しても過去問とか解いちゃうかもしれない」と答え、都落ろう氏も「競争が好き。お互いに支え合ってきた時間が青春そのもの」と同調した。

 タレントの山崎怜奈は「人それぞれだが、親の理解や生活の面が許されているなら、やりたいことや好きなものに向かって走り抜けてほしい。ただ、強烈なスケジュールなので、体調にだけは気をつけてほしい」とエールを送った。

(『ABEMA Prime』より)