野田佳彦元首相「事実上の白旗」。皇位継承問題は「あと3手詰め」の局面へ/倉山満
中道改革連合が12日に党見解をまとめ、政府提示の二案のうち旧宮家の男系男子を念頭に置く案を事実上容認した。党派間の立場がほぼ整理され、今国会での皇室典範改正審議が本格化する見通しだ。皇室史研究家の倉山満氏はこの局面を「皇位継承問題は『あと3手詰め』の局面まで来た」と評する(以下、倉山氏による寄稿)。
◆中道改革連合も旧宮家の男系男子養子案を事実上容認
さて、一言。
「女系派の諸君、心をこめて言ってやろう。ざまあみろ!」
などと罵ろうかと思ったが、暇がない。終わった人たちを相手にしても仕方がないし。
何の話か。中道改革連合が皇位継承に関する意見を取りまとめた。結論から言うと、野田元首相を筆頭とする女系派は「無条件降伏だけは勘弁してもらった」かのような屈服。あまりの内容に、保守陣営の中には、偽装降伏を疑う声すらあるが、さすがに心配し過ぎ。
中道のとりまとめた意見は、以下の内容である。
第一に「国民の理解を得る」、第二に「皇室の歴史と伝統を尊重する」、第三に「当事者である皇族の方々の思いを踏まえることが重要である」と始める。どれも、当然である。
その上で、「悠仁殿下への皇位継承を揺るがせにしない前提を確認」した。いきなり「愛子天皇論」を全否定である。
◆意見書の結びは「将来は女性天皇の検討を」
政府は二つの案を出しているが、第一案の「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」を優先するとした。最大の争点である配偶者と子供の身分は、「当事者の意向など個別の事情を確認するなど、適時適切に対応する」となった。絶妙な文言である。
お相手がどんな人か。もしかしたら、旧皇族をお選びになる可能性もある。お相手が一般人の場合、女性皇族が皇室を出ていくかもしれず、それを政府案は否定していないし、止められない。あるいは皇族の身分を保持して配偶者が国民のままの政府案を選ぶ可能性もある。またその時に、配偶者を「准皇族」にするのも検討の余地がある。
「適時適切」だけを取り出してこの部分だけ文字通り読めば「一般人の男を皇族にする」とも読めなくもないが、大前提が「皇室の歴史と伝統を尊重する」なので、それはできない。実に上手い。
マスコミで注目されているのが第二案の「旧皇族の養子による皇籍取得案」である。これには「制度化することも考えられる」とした。原案より表現が後退していると報じるメディアもあるが、細かい文言などどうでも良い。翻訳すると「政府の邪魔をしない」である。
意見書は「慎重な制度設計をしなければならない」と言うが、これも当然である。「養子」は皇室の歴史で多くの先例があるから、皇室典範で恒久法化して良い。一方、「皇籍取得」は先例があるが、異例である。間違っても「パンピーの男が皇族になれる」と読めるような文言など、あってはならないし、それが恒久法化されたら意味が無い。
結びに、「将来は女性天皇の検討を」と締めるが、再び「愛子天皇論」を否定。女帝を検討するのは、仮に悠仁殿下に男の子が生まれなかった場合だけだ。もはやトドメを刺された。
◆全体会議は「野田さん一人を説得する会議」などと揶揄
皇位継承問題を「次の天皇は悠仁殿下か愛子殿下か」のような、愛子殿下にこそ迷惑な動きもあったが、政界では相手にされていなかった。
