吉林省長春市南関区でスマートウオッチを装着する高齢者。(長春=新華社配信)

 【新華社長春5月14日】中国吉林省長春市では、睡眠や心拍数を記録できるマットレス、緊急時にスマートバンドで解錠できる電子錠、転倒を検知して医療スタッフを呼ぶスマートウオッチから、独居の高齢者用住宅から医療・介護施設のケアルームまで、高齢者の生活をサポートするデバイスが普及している。

 王尊(おう・そん)さん(78)は、市内で一人暮らしをしている高齢者で、スマートデバイスの「マニア」でもある。手首に装着したスマートウオッチは、心拍数や血圧を測定できるだけでなく、リアルタイムの位置情報追跡や転倒検知機能なども備えている。

 王さんは「以前、外でうっかり滑って転んでしまったが、スマートウオッチが自動でアラームを発した。社区(コミュニティー)の職員と家族に同時に通知が届き、けがはないかとすぐに電話がかかってきた」と話した。一人暮らしでは常に事故が起きるのではないかと心配だったが、今は「スマートボディーガード」のおかげでずいぶん安心できるようになったという。

 同市南関区の趙桂蘭(ちょう・けいらん)さん(78)もテクノロジーがもたらす安心を実感している。高血圧と冠動脈疾患を患う趙さんにとって、心電図を測定できるスマートウエアやスマートマットレスなどの機器は「電子ヘルパー」のような存在だ。心拍数の異常な変動や呼吸の乱れを検知すると直ちに家族に通知するため、別の街で働く子どもも安心できるようになった。

 在宅介護には最新機器が「身近なヘルパー」として活躍するが、介護施設はさらに「テクノロジー感」にあふれる。同市南関区仁大医養センターでは、配膳・配薬ロボットが行き交い、スマート枕が高齢者の午睡時の血圧、心拍数、睡眠状態などをリアルタイムでモニタリングしている。

吉林省の長春市南関区仁大医養センターで展示されたさまざまなスマート介護製品。(長春=新華社配信)

 センターでは職員が記者に、心電図をモニタリングできる衣類やバイタルサインモニター、緊急呼出装置などのスマート介護ケア製品も紹介した。家族は携帯電話のアプリを使って高齢者とリアルタイムで会話をし、随時状態を確認することができる。職員の高静(こう・せい)さんは、現在、センターの在宅介護サービスは周辺の複数の社区をカバーしており、将来的にはさらに普及すると紹介した。

 センターの唐晨(とう・しん)董事長は「多くの一人暮らしの老人はガスの栓を閉め忘れることが多い。一酸化炭素探知機を取り付けることで、プラットフォームが常時監視し、基準値超えを発見した際には遠隔で閉めることができる」と語った。

 現在、多くのプラットフォームがスマートデバイスを通じて「ドアが長時間開いたままになっている」「24時間動きがない」などの事象を検知でき、高齢者の日常生活や健康状態をリアルタイムで正確に把握できる。高齢者に異変が起きた際は、直ちに専門的な対応を取っている。

 スマートデバイスが広く普及した背景には、吉林省のシルバー経済に対する体系的な取り組みがある。

 同省は昨年、シルバー産業の質の高い発展の推進に関する政策文書を発表した。在宅、社区、施設のあらゆるシーンをカバーするスマート介護サービス体系の構築を加速させ、高齢者のニーズに合ったスマートウエアラブル、在宅モニタリング、リハビリ支援などの製品の研究開発・生産を企業に指導している。(記者/孟含蒞、唐成卓)