ロンドンから駆けつけたサポーターに何度も何度もガッツポーズ 【photo/B.O.S.】

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 ホームでの第1戦を1−1で引き分けたことにより、チェルシーには黄信号が灯っていた。それは、チェルシー自身が今季、アウェーでの成績が芳しくなかったこともあるし、反対にバレンシアが、伝統的にホームでのイングランド勢に対しては分がいいことも、理由のひとつに挙げられていた。とはいえ、戦力的にチェルシーが上回っているのは、誰の目にも明らかである。第1戦を負傷で棒に振ったエッシェンの復帰も、モウリーニョ監督には好材料となった。

何よりゴールが必要なチェルシーは、敵地メスタージャの一戦でも、最初から攻撃に打って出る。しかしセットプレーからいくつかチャンスを得るものの、GKカニサレスの好守もあって、ゴールネットを揺さぶるまでには至らない。対するホームのバレンシアは、これまでのどおりのカウンター戦術で、じっと好機をうかがっていた。

そして32分、ホアキンのパスから、モリエンテスが鮮やかに決める。ケガで第1戦を欠場した彼のボレーシュートは、ポストを叩いてからゴールに吸い込まれていった。バレンシアにとって、まさに理想的な先制だった。

もどかしさばかりがつのった前半を終えると、チェルシーのモウリーニョ監督はすぐに動いた。ディアッラを下げ、ジョー・コールを送り出す。これによるフォーメーションチェンジが見事に奏功し、チェルシーの攻撃がさらに機能し始めた。

12分、セットプレーから、バレンシアDF陣の警戒がドログバに集中する間隙を突いて、シェフチェンコが貴重な同点ゴールを決め、条件をタイとした。そしてロスタイム。延長突入かと思われた矢先、後半から右サイドバックにコンバートされたエッシェンが、クロスと思いきや、強烈な低いシュートを放ち、これがカニサレスとポストのわずかな隙間を見事に打ち抜いた。前半とは打って変わり、チェルシーにとっては、まさに痛快な45分間となった。選手交代で攻め手を失っていったバレンシアとは対照的に、モウリーニョ采配もズバリ当たるなど、チームの地力の差が如実に表われた一戦だった。
これで、準決勝ではリバプールとの同国対決が実現濃厚になった。勝利の立役者であるエッシェンは、累積警告により出場停止となるが、大きな楽しみは残された。