2006年1月16日、ライブドア本社で東京地検の強制捜査を受ける堀江元社長(手前)。(資料写真)

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ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告に対する判決が16日、東京地裁であった。小坂敏幸裁判長は起訴事実をすべて認めた上で、「証券市場の公正性を害する極めて悪質な犯行」だとして、懲役2年6月(求刑懲役4年)の実刑を言い渡した。同被告はただちに控訴した。

 証券取引法違反の罪に問われた被告への実刑判決は、極めて異例。

 小坂裁判長は、堀江被告の指示・了承なしには各犯行はあり得なかったとし、「一般投資家を欺き、その犠牲の上に立って企業利益のみを追求した犯罪で、強い非難に値する」と指弾。「被告人は各犯行を否認しており、不自然不合理な供述をした。反省の情はない」などと、実刑にした理由を語った。

 争点になったのは、▽堀江被告が事件を主導したのか▽投資事業組合のダミーだったのか◇自社株売却益の売り上げ計上は認められるのか▽買収予定会社に対する架空売り上げを認識していたか──など。

 判決では、投資事業組合のダミー性について「脱法目的で組織されたとものと認められる」と判断。投資事業組合を介した自社株売却益の売り上げ計上は認められないとした。

 また、架空売り上げについても、堀江被告が了承していたと判断。法廷で「堀江さんは知っていながら、知らないと言うのは悔しいですね」と語ったLD元代表取締役、熊谷史人被告=分離公判中=の証言を、信用できるとした。

 同社元取締役、宮内亮治被告=分離公判中=らと検察側との黙契の存在は、認めなかった。

 ◇ ◇ ◇

 これまでの公判では、宮内被告は自社株売却益の売り上げ計上につながる企業買収計画を報告すると、堀江被告は「ふーん、そうなの」と言って了承したと証言。検察側も論告の際、「被告は利益を上げるため、何らためらうことなく、投資家を欺いた」「部下に責任を転嫁しようとしており、反省の情は皆無である」などと非難した。

 一方、一貫して無罪を主張してきた堀江被告側は、宮内被告らの特別背任疑惑を厳しく追及。自社株売却益の一部が香港のペーパーカンパニーなどを通じて宮内被告らに流れたと指摘し、宮内被告が答えに窮する場面も多々あった。
 このため、弁護側は最終弁論で、起訴された全員が無罪となり、検察ファッショと批判された戦前の帝人事件を引き合いに出し、「本件は第2の帝人事件である」と指摘。その上で、元取締役、宮内亮治被告らの特別背任、業務上横領の嫌疑を捜査しない検察を厳しく批判し、堀江被告に主犯に位置付けるべく「検察官と宮内らとの間に黙契(もっけい)が存在するのは明らかである」と主張した。

 事件では、堀江被告ら計7人と法人2社が起訴された。検察側はLD元取締役の宮内亮治被告に懲役2年6月、ライブドアファイナンス元社長の中村長也、ライブドアマーケティング(LDM)元社長の岡本文人、元代表取締役の熊谷史人の3被告にはいずれも懲役1年6月を求刑。会計士の2被告にも1年6月、法人としてのライブドアには罰金3億円、LDMには同5000万円を求刑している。宮内被告ら4人は22日、会計士と法人は23日に判決が言い渡される。

 ▽ライブドアのコメント 「元社長への判決を真摯に受け止め、引き続き新体制での法令遵守の徹底と、内部管理体制の強化に努めてまいります」

【了】

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