日本戦で4回に同点2ランを放った韓国のキム・ヘソン【写真:中戸川知世】

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大谷が大アーチ…ド軍のチームメートも負けじと一発

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCが7日、東京ドームで行われ、韓国代表は日本代表「侍ジャパン」に6-8で敗れた。今大会は通算1勝1敗。3-5の4回に、一時同点に追いつく2ランを放ったキム・ヘソン内野手(ドジャース)は試合後、報道陣に対して実に7度「悔しい」という言葉を絞り出した。

「悔しいです。悔しいですし、負ければ『良くやった』とは言えませんから。悔しい気持ちでいっぱいです。勝ってこそ、本当の喜びがファンの皆さんにも伝わると思います。やはり負けは負けですから、非常に申し訳ない気持ちです」

 近年の日韓戦の結果を見れば、大健闘ともいえる結果だ。それでもキム・ヘソンの言葉からは悔しさばかりが伝わってきた。

 韓国はWBCで3大会連続の1次ラウンド敗退に終わっており、今大会は何としてもマイアミで行われる準々決勝に進出するのが大目標。その第一関門となる日韓戦は大激戦となった。韓国が初回に3点を先制、日本はその裏に鈴木誠也(カブス)の2ランで1点差とすると、3回には大谷翔平(ドジャース)、鈴木のこの試合2本目、そして吉田正尚(レッドソックス)と大リーガー3人がソロのそろい踏み。韓国は3-5と逆転を許した。

 大リーガーが並ぶ大型打線の日本にはかなわないのか――。そんな空気を一変させたのもまた、キム・ヘソンだった。4回1死一塁で、伊藤大海(日本ハム)から右翼へ同点2ラン。マイアミ行きのチャーター機に乗ると誓って決めたチームの“飛行機ポーズ”を見せながら生還すると、スタンドからも大歓声。試合の流れは韓国へ振れたようにも感じられた。

2点差の8回、2死満塁の好機に三振「僕の判断ミス」

 チェコとの初戦で3打数無安打と快音が聞かれず、この日の打順は9番まで下がった。そこで果たした大仕事を「とりあえず、ホームランが出たのはよかったです。同点になったのは良かったですが…やっぱり結果が悔しいです」と振り返る。口をつくのは無念の思いばかり、最後まで表情が晴れることはなかった。

 心にシミのように残るのは、6-8と2点差に追い上げた8回、なお2死満塁で見逃し三振に倒れた場面だ。松本裕樹投手(ソフトバンク)の低めフォークがストライクゾーンに残ったが、バットが出なかった。「スイングできなかったことが一番の心残りです。フォークを待っていたんですが思っていたよりも高くて、もっと落ちるかと思ったんです。僕の判断ミス」。ここでも「本当に悔しい」と続けた。

 韓国が日本に勝ったのは、2015年のプレミア12準決勝が最後。プロ選手で構成されたチーム同士の対戦では、引き分けを挟んで11連敗となった。ただこの大会は日本だけが相手ではない。試合終了からわずか半日強、8日の正午には台湾戦のプレーボールがかかる。

「早く戻って寝て、いいコンディションで試合に臨めるように。しっかり休みたい」。厳しいスケジュールが続く大リーグでもしっかり結果を残してきた。絶やさぬ笑顔の裏に強い芯があるキム・ヘソン。チームとともにアメリカへ戻るため、前に進み続ける。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)