藤井編集長は「ネットに対しての感覚が30歳から上と下では違う」と語る

写真拡大

   団塊ジュニアはこれからどこに行くのか。社会を変革する力があるのか。若者達の「いま」を「R25」の藤井大輔編集長に聞いた。

――ところで、お相手になる女性の方はどうですか。

今の女の子は、実家に住む派遣OLの年収が250万円だったとしても、全部自分のおカネなんです。ブランド物のバッグを毎月買うこともできる。結婚したら新作のバッグが買えなくなる可能性があるわけです。で、共働きしないと今の生活が維持できないと思ったとき、財力のある男性、社会地位のある男性との結婚を望むわけです。しかし、同世代にそんな男性はめったにいない。上の世代だと結婚している。残っているのは「バツイチ男」くらい。だから「バツイチ男」と初婚のカップルが増えている。一度失敗しているから優しいですし、女性に対する期待値も高くない(笑い)。「バツイチ男」のほうが尊敬されているような感じですね。

――おカネがネックなんですね。で、おカネ、つまり「格差」に対してはどう思っているのでしょうか。

格差については明確な答えを持っていない。そんな感じがします。自分が最下層にいるとは思ってないだろうし、「格差」は他人事だったり、みたいな。マッタリしすぎてしまったら時代の波に乗り遅れて、格差がついてしまうとは感じてるとは思います。つまり、まだまだ意見が無いんだと思いますよ。「格差」について。

――それでも未来に対する不安はあるわけですよね。

年金の問題もありますね。厚生労働省は「間違いなく出る」と言っているけど、くれないだろうなぁと。年金がもらえると思っている人は20%くらいでは。未来のことはホントわからないですからねぇ。
ただ、未来の不安を誰かが解消してくれるというのではなくて、「自分達がやらなくてはならないんだ」と思っている人がポツポツ出てきた。僕はここに希望を持っています。これが全体的な動きになった時に、団塊ジュニアはけっこう数が多いですから、社会を変革する力があるかもしれないです。フラットに日本のいいところ、悪いところを見ているし、期待できるんじゃないですか。

ネットに対しての感覚が30歳から上と下では違う

――ひと括りに「R25世代」といっても年齢によって特長が違いませんか。

インターネットに対しての感覚が30歳の上と下では使い方が違うんです。僕の主観も入りますが、30歳以上は検索がメインで、サッカーの試合結果とか行きたいレストランなど「結果」を見に行くんですね。30歳以下はそういう使い方もしますが、コミュニケーション寄りという感じです。2000年頃から「2ちゃんねる」が伸びてきて、「2ちゃんねる以前」「2ちゃんねる以降」で分けられるんです。
例えば就職活動は、ネットで調べたりOB訪問をしたりしますが、「以前」は表面上の情報が得られるにすぎませんでした。「以後」の場合は、「就職スレッド」で企業や勤務社員の裏情報が取れるようになった。つまり、24歳〜29歳はコミュニケーションの中で出てくる情報をとりに行く経験をしたのがポイントです。
24歳より下の世代になるとケータイがメインになってきます。2ちゃんは不特定多数ですが、ケータイの場合、相当閉じたコミュニケーションになっているんです。ミクシィもオープンで使う人と閉じて使う人がいますが、閉じて使う人は若い人が多いという気がしなくもない。

――なぜ若い人は閉じて使うのでしょうか。

不特定多数の人と繋がることにはメリット、デメリットがあります。若い人は不特定多数に繋がる経験で、いい目に合わなかった人が多いのではないでしょうか。

――「R25」は今後どんなメッセージをターゲット世代に伝えていきますか。

「知っている」と「知らない」の中間にある、曖昧状態の情報って、たくさんありますよね。実態が良くわからない情報。「格差」などはまさにそれ。僕らは知ったかぶりしない視点できっちりと整理して伝えていきます。それを続けていくうちに、読者が持っている曖昧な情報が整理される。そして、さらに考えていって「よりよい社会を自分達が作っていかなければならないよね」となる。そうした動きが自然に生まれてくれればいいなと。


【「R25」藤井大輔編集長プロフィール】
1973年生まれ、34歳。富山県出身。大阪大学経済学部卒。95年、株式会社リクルートに入社。「ゼクシィ」「AB-ROAD」などの雑誌編集を経て、03年9月から「R25」の立ち上げに携わる。05年4月から編集長。「R25式モバイル」「L25」「L25モバイル」の編集長も兼任。