菊池雄星のアプローチを2年断るも…妻・瑠美の心が動いた瞬間「箱ティッシュをください」の発言に「この勇気があれば」
WBCの日本代表に選出されたメジャーリーガーの菊池雄星さんと結婚し、夫の移籍に伴い海外での生活をスタートさせた菊池瑠美さん。思わず顔がほころんでしまうおふたりの馴れ初めエピソードから夫婦円満の秘訣を伺いました。
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夫のアプローチを2年間断り続け
── 今年、夫でメジャーリーガーの菊池雄星さんと結婚10年目を迎えます。おふたりの馴れ初めについて教えてください。
瑠美さん:私がキャスターとして出演していた番組を夫が観てくれていて、周囲の方に「深津さん(旧姓)知っていますか?」と聞いて歩いていたそうです。私の耳にもこのことは入ってきたのですが、当時、スポーツ番組を担当していたので、どなたか特定のスポーツ選手の方とお会いするというのは私のポリシーに反するなぁと思い、2年間ずっとお断りしていました。
── 結構長い間、断っていたんですね。
瑠美さん:周りの方から「そんなに堅苦しく考えなくていいから、一度会ってみたら」と言われて、MLB番組のオフシーズンに会うことになりました。毎年その時期は健康診断を入れているので、「健康診断のあとでしたら時間が取れます」とお伝えして、共通の知人と一緒に会うことになりました。
でも私はその日、コンディションがあまりよくありませんでした。忘れもしない、ボージョレ・ヌーボーの解禁日です。全身麻酔で胃カメラをしたのですが、麻酔から目覚めてから本調子ではなくあまり乗り気ではありませんでした。
── お断りしてしまったのですか!?
瑠美さん:少し様子を見ても体調が優れなかったので、「調子が悪いので、また後日伺います。みなさんでどうぞ楽しんでください」と知人に伝えました。でも知人から「菊池くんが楽しみにしているから、座っているだけでいいから来てほしい」と言われて。そこまで言うなら、挨拶だけさせてもらって帰ろうと思い、お店に向かうことにしました。初対面の夫は、私が現れた瞬間、ものすごく喜んでいました(笑)。
第一印象は「おもしろい!」その訳は…
── 無事に会えたようでホッとしました。ご主人の第一印象はいかがでしたか。
菊池さん:どの世界でも挨拶は大切だと思いますが、夫の挨拶は本当に素晴らしいものでした。私を見るやいなや、サッと立ち上がって、お腹から声を出す体育会系の気持ちのいい挨拶でした。一瞬で、「きっと礼儀正しい方なんだな」と思いました。本当は挨拶だけで帰ろうと思って行ったものの、少しお話ししてみたいと思うようになりました。
── 滞在時間が伸びてよかったです!初対面で印象に残っていることはありますか。
瑠美さん:夫はお店の方に「箱ティッシュをください」とお願いしていました。実は夫は、少し前に副鼻腔炎の手術のために入院していて、店に来る前まで鼻にコットンを詰めていたそうなんです。お医者さんからはまだ鼻の詰め物を取ってはいけないと言われていたのですが、私に会うためにコットンを取ってお店に来たそうで。
── 2年越しの願いが叶った日に、鼻に詰め物をした状態では行けませんよね。
瑠美さん:会った場所はフレンチレストランだったのですが、どう考えてもティッシュを箱ごとお店の方にお願いする雰囲気ではありませんでした。でもそんな夫の姿を見て、「この勇気があるということは、きっとどこでも生きていけるに違いない」と思ったんです(笑)。席を外して、ちょっとお手洗いに行くこともできたと思いますが、この状況に臆せず頼めるなんて、「おもしろい!」と思いました。
── だいぶ印象深い初対面でしたね。
瑠美さん:胃カメラのあとで私はあまり食べられなかったのですが、「きっとたくさん召し上がられるでしょう」と、夫に食事のお裾分けをしてしまって。あとから夫も不調だったことを知ったのですが、当日は無理して頑張って食べていたと聞いて申し訳なく思いました。これが私たちの出会いでした。
次々起こる「おもしろさ」に惹かれ
── その後、おふたりで会うようになったんですか。
瑠美さん:デートらしいデートはしていません。次に誘われたのはドリカムのコンサートでした。いきなりふたりきりと言っても、コンサートならいいなと思って行ったのですが、会場で歌を聞いている途中、ふと横を見ると夫が泣いているように見えました。「そうか、歌に感動して泣くなんて、なんてピュアな心の持ち主なんだろう」と私も感動してしまって。あとからわかったことなのですが、夫はこのときも鼻の調子がよくなかったそうです(笑)。
── またここでも鼻のトラブルが!次のデートの話も伺っていいですか。
瑠美さん:そのあとは、マジックショーを見に行きませんかと誘われました。
── 夜景が綺麗なバーとか、そういうところではないんですね。
瑠美さん:「マジックショーを提案するなんておもしろい!」と思いました。夫は私とはまったく違うタイプの性格で、次々とおもしろいことが連続して起こることがとても新鮮でした。夫といると「この方なら大丈夫」と思えて、その後おつき合いをすることになりました。
── カッコつけないことがよかったんですね。
瑠美さん:もしそうだったら私が引いてしまっていたと思います。一緒にいて疲れてしまいますよね。常に夫が自然体だったことで安心できました。
実は出会って間もなく、夫から「故郷の岩手に連れていきたい」と言われました。当時は高校野球の結束感についてあまり詳しくなかったため、「友人や家族に会いにいくのだろう」という感覚で岩手を訪れました。ところが、到着して最初にお目にかかったのは、夫の高校時代の野球部の監督さんでした。お食事の席の最後に「雄星をよろしくお願いします」と声をかけていただき、そのひとことがきっかけで、将来について真剣に考えるようになりました。
── ご主人はきっと最初から心を決めていたんでしょうね。
瑠美さん:交際がスタートして間もなく結婚を意識しているという話をされました。私も一緒にいると「きっとこの方と、ずっとこの先もいるんだろうな」という気持ちになっていて、自然な形で結婚しました。
夫婦円満の秘訣は「ユーモアを持つこと」
── 今年、結婚10年目を迎えられますが、夫婦円満の秘訣について教えてください。
瑠美さん:夫はちょっとおちゃめなところがあって。洗濯物がトン、トン、と、「この場所を通って行ったんだな」とわかるように置かれていることがあるのですが、私はそれをトトロって呼んでいるんです。ジブリ映画『となりのトトロ』で、小さいトトロが持っていたどんぐりを落としていくシーンのように見えるんです(笑)。
── 小さいトトロがメイちゃんに追いかけられて、どんぐりを落としながら逃げていくシーンですね!
瑠美さん:いい大人が部屋のなかに洗濯物を脱ぎ捨てているのをよく思わない方もいると思います。でもこういう場面も「かわいらしいな」と思ったらケンカになることもないですし、これも夫のユニークな個性と思うと毎日が楽しいですよね。普段の生活のなかでユーモアを持つことを大事にしていて、それは心の余裕にも繋がると思っています。
── 同じことが起きていても、どう捉えるかでまったく違ってきますね。
瑠美さん:夫婦といえど、もともとはまったく別の人間で、自分の思った通りになることはありませんし、相手に過度に期待をしすぎてはいけないと思っています。親しき仲にも礼儀ありと言いますが、お互いを認め合って尊重し合う精神が必要なのかなと。
何か「悪かったな」と思うことがあればそこはすぐに「ごめんね」と謝って、そこで終わりです。子どものころのような素直な気持ちでいることも大切ですね。ケンカをしたまま冷戦状態を続けるとか、カリカリしたまま歳を重ねるのはいやじゃないですか。子どもが巣立ったあと、おじいちゃん、おばあちゃんになっても仲よく手を繋いでいられるように、これからもお互いに意識して楽しく過ごしたいですね。
取材・文/内橋明日香 写真提供/菊池瑠美

