画像:TVerより
今年の秋クールドラマは、見応えのある作品が本当に多かった。年間100本以上の日本ドラマをチェックするアラフォー筆者独自の視点で、この秋地上波プライム帯(19〜23時放送)に放送された秋ドラマから、“最後まで観てよかった”珠玉の5作品をご紹介します。

※一部作品のネタバレを含みます。

◆じゃあ、あんたが作ってみろよ

この秋、最もバズったドラマといっても過言ではない作品は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)でしょう。自分らしさを見失った鮎美(あゆみ/夏帆)と、完璧主義で超亭主関白思考な勝男(かつお/竹内涼真)のふたりが主人公。

鮎美にフラれたことをきっかけに、勝男は料理を通じて自分の在り方を振り返り、鮎美も別れと新たな出逢いを通じて自分の在り方を模索していく姿に多くの共感が集まりました。

◆衝突と歩み寄りの先にある“前に進む力”

筆者は令和の時代に昭和的価値観をもつ鮎美と勝男が、アップデートしていく物語と捉えていましたが、そう単純ではありません。アップデートできても、人とはぶつかるし、人生がすべてうまくいくわけではない。他者との行き違いを通じて自己を内省しながら、他者を理解しようと歩み寄り、前に進んで歩んでいくことの素晴らしさを丁寧に伝えてくれる作品でした。

そんな主人公をコミカルに愛らしく演じ切った夏帆&竹内も素晴らしかったです。

◆小さい頃は、神様がいて

同じように夫婦のすれ違いと再生を描いた『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)も、リアルな人間模様に惹きつけられました。約19年前に夫婦が交わした「子どもが二十歳になったら離婚する」という約束が、実は生きていたと妻・あん(仲間由紀恵)に突き付けられた夫・渉(北村有起哉)。

◆すれ違いの中で確かめ合う、中年夫婦の愛と人生

“普通の夫、父親”である渉の、ちょっとダメなところも残念なところも、でも決して悪い男ではない一面も、そんな渉を愛おしく思う気持ちがありながらも、離婚の約束を心の支えに自分の生き方を模索する妻・あん。ふたりの中年夫婦の解像度が高く、名優ふたりの演技も光りました。

ふたりがすれ違いながらも想い合って歩んできた時間は愛おしくも切なく、理解しようと歩み寄りながら想い合う姿に涙した人も多いのではないでしょうか。

◆ぼくたちん家

違うカタチながら、他人が子どもの保護者になろうとするふたつの物語も令和ならではの視点で家族を描いていて、興味深かったです。

まず、ゲイのカップルが中学生の保護者を担う『ぼくたちん家』(日本テレビ系)。50歳の心優しき飼育員・波多野(及川光博)と、人生にも恋にも冷めた38歳の中学教師・索(さく/手越祐也)のふたりに、15歳のトーヨコ少女・ほたる(白鳥玉季)が3000万円をもって保護者になってもらおうとする奇想天外なスタートでした。

◆優しさと勇気で寄り添う、“恋と革命”の群像劇

本作で描かれたのは、社会における居場所を模索する人たちの葛藤や苦悩に、優しさと勇気をもって寄り添ってくれる“恋と革命”の物語。登場人物たちを通じて社会が包括する問題を描きながらも、全体はコミカルな展開でエンターテイメント性も高かった。

役者陣も秀逸で、毎週観るのが楽しみな作品でした。

一方で、社会的マイノリティであると感じる人たちがいることを忘れてはいけないとも強く感じさせます。誰もが自分らしい生き方を選択できる優しい社会になったら……と願わずにはいられない作品でした。

◆フェイクマミー

元ヤンで社長のシングルマザー・茉海恵(川栄李奈)とバリキャリ優等生・薫(波瑠)が、子どもの未来のために“母親なりすまし”という契約を交わした『フェイクマミー』(TBS系)も、現代社会が抱える子育ての難しさをテーマにしながらも、エンタメとして昇華させている良作でした。