捏造は「納豆」にとどまりそうにない(関西テレビ放送「謝罪映像」より)

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   「納豆ダイエット」で実験データ捏造が明らかになった関西テレビ放送の情報番組「発掘!あるある大事典?」だが、次々と新たな捏造疑惑が浮上し、「捏造」の指摘はとどまりそうにない。そうしたなか、研究者も「他の番組も同じくらいひどい」と指摘しており、他の健康娯楽番組までが疑惑の目で見られるのは必至だ。

レタス、みそ汁、レモン、あずきと捏造疑惑

   「あるある」で「納豆」の次に浮上したのが、「レタス」、「みそ汁」、「レモン」、「あずき」、「わさび」、…などなどの実験データの捏造疑惑だ。
   06年1月放送の「レモンでダイエット」では、コメントした大学教授が「実験に関与していない」「ダイエット効果があるとは言っていない」などと証言し、レモン汁でダイエット効果があるとする番組内容を否定。
   06年3月放送の「わさびで若返る」では、被験者にわさびを食べさせると脳が活性化し、落ちてくる物差を捉まえる反応が良くなったとされたが、実験に関わった大学教授は「まともな実験ではなかった」などと証言し、放送でコメントした教授も実験の仕方を疑問視しているという。
   また、「あるある?」の前身「発掘!あるある大事典」で01年3月に放送された「あずきで脳が活性化」の特集では、被験者にあずきあんこを食べさせてそろばんを使った計算問題を解かせるという実験で、答えあわせが行われなかったという疑惑まで浮上している。
   このほかに、「りんごでダイエット」「にがりでダイエット」などについても番組内容の改ざん、実験データ捏造の疑いがもたれている。もはや、「疑惑」はとどまることを知らない。

   そもそも、何かを食べて「ダイエット効果がある」という話などあるのだろうか。共立女子大学教授・日本生活習慣病予防協会理事の井上修二氏は、

「(一定期間に)体脂肪が5%減少するだけでも、肥満症・糖尿病の人の50%に効果があるとされる『薬』ということになりますからね。(通常の)食事で長期的にダイエット効果があるなんてことはありえないです」

   と述べる。

「健康や食を面白おかしく娯楽のネタにするな!」

   また、群馬大学教育学部教授で「フードファディズム(特定の食品を健康だとする流行を追う現象)」という言葉を日本に初めて紹介したことで知られる高橋久仁子氏も、

「食べ物で痩せるというのは、むしろ毒があると思った方がいいですよ。だって、食物は栄養補給・エネルギー摂取のために一定量必要なものなんですから」

   と指摘する。
   また、高橋教授は次のように指摘する。

「元気になるとか、若返るとかいった効果が、ある特定の食材にあるという話はありえないことです。食べ物は運動する際の栄養補給をするというものなんですから、そんなうまい話があるわけではないですよ」

   さらに、J-CASTニュースが「健康番組は信用できるのか」との質問したところ、

「健康情報『娯楽』番組のことですね。こういった健康を面白おかしく伝える『娯楽』番組には必ず誇張がありますよ。それは、健康に『良い』という番組にも、『悪い』という番組にも共通するものです。すべての番組がウソとは言いませんが、かなりひどいですよ。私に言わせれば、健康についての”食”を娯楽のネタにするな、と言いたい」

   と答えた。同教授は、某人気番組も「あるある」と同様に「ひどい」と指摘している。