沖縄の給食費滞納率 異常に高いのはなぜか
給食費滞納が社会問題となっていることを受け、文部科学省は06年11月〜12月に初めて給食費の徴収状況を調査したが、県別で見ると沖縄県の滞納率が突出していた。全国平均は1%なのに、沖縄県で滞納している子どもの割合はなんと6.3%。東京の約8倍、金額にして2億6千万円を超えていた。それはなぜなのか。
低所得が原因なのか、責任感が問題なのか
沖縄県内では、以前から給食費滞納問題は深刻な問題だった。たとえば、04年4月24日の「沖縄タイムス」では、
「(沖縄県は)失業率と離婚率は高く県民所得は全国一低い。就学補助制度(給食費補助などを受ける)申請にいたらなくても、支払い困難な家庭が多い」
と報じている。
一方で、今回の給食費滞納調査で滞納の原因として「保護者の責任感や規範意識」を挙げた学校がほぼ6割だったと07年1月25日の「琉球新報」が報じた。この割合は、文科省が発表している全国の割合とほぼ同じだ。
さらに、07年1月26日の「八重山毎日新聞」では、石垣市(沖縄県)では、給食費滞納原因の8割強が「保護者の責任感や規範意識」に問題があるとし、保護者が支払わない理由に「経済的な問題」と答えたのは1割強にとどまっている、としている。
「悪質な滞納者はいない」の意味不明
では、給食費滞納原因は「8割強が保護者のモラル」の実情はどうなのだろう。J-CASTニュースは石垣市教育委員会に聞いた。
すると、こんな意外な答えが返ってきた。
「今のところ『義務教育だから給食費を支払わない』とか、『給食を頼んだ覚えはない』と訴える悪質な滞納者はいない。いつか納めると言ってくれています」
「モラルの問題」でもないような、よく分からない説明だが、「いつか払えばいい」みたいな「鷹揚」な人がこの地区には多いのかもしれない。
では、徴収のため具体的な対策を行う予定はあるのだろうか。沖縄県教育委員会にたずねた。
「滞納理由を悪質と判断することは難しい。生活が苦しくて払えないといわれれば、それ以上踏み込めないのが現実だ」
さらに給食費滞納原因の実態調査は、万が一生徒に漏れた場合いじめにつながるため当面行う予定はないといい、当面効果的な策はないようだ。