AFX通信によるとフィリピン中部のセブで開かれた東アジア首脳会議(サミット)に出席しているシン・インド首相は15日、ASEAN(東南アジア諸国連合)と「オープンスカイ協定」の締結を検討する用意があることを明らかにした。また、ASEAN側にFTA(自由貿易協定)交渉を急ぐよう呼びかけた。オープンスカイ政策は、民間機の乗入れ権や以遠権などをお互いに開放するなど「空の自由化」を目指すもの。

  インドは、ASEANとの間で、7月までにFTA締結を目指して交渉を進めているが、シン首相は、同時に空の自由化を平行して実現させることでASEANが描いている将来のアジア・太平洋地域の共通市場実現に弾みがつくと見ている。同首相は、「お互いの往来を一層進めることは地域統合に欠かせない」とサミットで発言した。

  インドとASEANとのFTA交渉は、インドが関税の撤廃・引き下げ対象からはずしたいとする例外リストが余りにも多いとしてASEAN側が難色を示し、暗礁に乗り上げているが、シン首相は7月のFTA調印を目指し、交渉を急ぐようASEAN側に呼びかけた。これに関し、インドのカマル・ナート商工相は記者団に対し、インド政府が例外リストを490品目まで削り、ASEAN側もこれを了承したことを明らかにした。
  
  インドとASEANの合意は、例外品目の貿易額が全体の5%を超えないというもの。ただ、インドは2011年までに関税率をゼロか5%まで引き下げる品目からパーム油を除きたい考え。パーム油はインドとASEAN間の年間貿易額の20%を占め、双方が「非常にセンシティブな問題」と位置づける4品目の一つで、2011年の期限後も現行関税を据え置き、その後2018年までに段階的に引き下げることで合意する可能性もある。

  インドは現在、年間17億ドル(約2050億円)相当のパーム油をASEAN域内のマレーシアとインドネシアから輸入しているが、一方で、関税引き下げによる国内パーム油業界の打撃を防ぐ必要にも迫られている。【了】