アンヌ遙香さん
 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。

 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
 第55回となる今回は、10月4日、高市早苗氏が自民党新総裁に選出されたニュースに対する世間の反応を読みときます(以下、アンヌさんの寄稿です)。

◆高市新総裁の「ワークライフバランス」発言に賛否

 高市早苗自民党新総裁の「ワークライフバランス」発言が話題になっております。

 新総裁に選出された際の挨拶の場で、自民党議員に対して「馬車馬のように働いていただきます」「私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます」と発言したことがさまざまな形でSNSを賑わせていますが、この件について、私はニュース番組のコメンテーターをしているので、特定の政党や政治家に関して特によいも悪いも明言しません。が、自分を奮い立たせるべくこのように発言したのだろうというのは想像に難くありません。

 多くの国民が裏金問題等で自民党にがっかりしたことや、さきの参議院選挙でも新興勢力に票がいったことなど、古い自民党に国民が不信感を抱いている中、仲間たちに注意喚起したかったという狙いもあるのでしょう。

「公僕」という言葉は昨今聞かなくなったものの、国会議員という存在は、国民のために東奔西走します、とそれくらいの覚悟を持っている人にやってほしいとたしかに思う部分もあります。しかし、やはり高市さんの発言に対しては賛否両論あるわけです。

◆2007年に取り組みが本格化

 このコラムが世に出るころには古い話題になっているかもしれませんが、「ワークライフバランス」という言葉、私自身は最近あまり使うことはありませんでした。

 調べてみると、厚生労働省のウェブサイトにしっかりと表記がありました。平成19年「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」が開催され「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」およびその行動指針が策定され、これを機に日本における取り組みが大きく動き出した、ということのようです。

 平成19年っていつかと思えば2007年。

 個人的には私はTBS入社2、3年目くらい。一番忙しかったころ。当時のご時世を思い返せば、どの業界でも「寝る暇を惜しんで働くぐらいが美徳」だったとき。そして今の私は40歳。

 私より下の世代は「そんな働き方はもうやめてもよいんじゃない?」という流れが社会に生まれ、働き方、睡眠のとり方、休みのとり方ひとつとっても考え方がどんどん変わっていっています。

◆高市氏の発言は40代〜60代の女性に刺さっている?

 今回の「ワークライフバランス発言」のSNS上での受け止め方、言説を分析してみた私は、ひとつ気づいたことがあります。どうやら40代から60代の女性に特に刺さっている人が多い印象があるのです。

 中でも特に、自分は仕事だって、家庭だって育児だって頑張ってきた、本当に自分の時間がなかったけど、労働が好きだし、今があるのはあのときの艱難辛苦(かんなんしんく)があるからだ! と今でもバリバリなんらかの形で社会と関わりを持ち続ける女性たち。

 男女の別をもうけるのはナンセンスかもですが、日本ではじめての女性総理大臣誕生かということで、これまで政治的発言から距離をとっていた人でも「女性総理が誕生して嬉しい!」「実は応援していた」とSNS上で急に表明し始めたこの世代の女性がまあ目立つ。