Googleは10月2日(現地時間)、コーディングエージェント「Jules」のCLI(Command Line Interface)ツールとして「Jules Tools」を発表した。

○「Jules Tools」の概要

JulesはJulesはGoogleのAIモデル「Gemini 2.5 Pro」を基盤とする非同期型のプログラミング支援ツール。既存のリポジトリと統合し、プロジェクト全体のコンテキストを理解したうえで、テスト作成、新機能の実装、音声による変更履歴の提供、バグ修正、依存関係の更新といったタスクを実行する。

これまでJulesとのやり取りは主にWebブラウザ経由だったが、開発者の多くはテスト、ビルド、デバッグ、デプロイといった日常業務が集約されるターミナルで作業している。そこで同社はは、軽量なCLIとしてJules Toolsを開発。ターミナルからタスクを起動し、Julesの動作を確認し、カスタマイズできるようにした。

Julesはバックグラウンドで動作し、リモートVM(仮想マシン)上でタスクを処理しながらリポジトリと同期する。タスクを開始すると、一時的なVMを起動し、作業を完了させたうえでプルリクエストを返す仕組みだ。

CLIを導入することで、開発者はより直接的な制御と可視性を得られる。Julesをプログラム可能にし、スクリプト化やカスタマイズを可能にすることで、既存の自動化ワークフローに統合できるほか、リアルタイムでコマンドを入力して操作することもできる。

Jules Toolsは、コーディングエージェントの「ダッシュボード」であり「コマンド入力面」でもある。導入は「Node.js」の管理システム「npm」経由が最も簡単であり、CLIはコマンドとフラグを中心に構成されている。

導入は「npm」経由が最も簡単だ

コマンドはJulesに実行させるタスクを指定する(例:リモートタスク一覧の表示)。

Julesに実行させるタスクを指定

フラグはJulesの挙動をカスタマイズする(例:ターミナルUIをライトテーマに切り替える)。

Julesの挙動をカスタマイズ

Jules Toolsはスクリプト化できるため、他のCLIツールと組み合わせてワークフローに組み込める。すでに多くの開発者が、Julesを既存のターミナル作業に統合しているという。ダッシュボード機能は、インタラクティブな操作を好む開発者向けにTUI(テキストUI))も提供。

他のCLIツールと組み合わせてワークフローに組み込める

/remoteコマンドでタスクのダッシュボードを表示し、/newで新しいタスクをステップごとに作成できる。Web UIと同等の制御を高速かつローカルに近い環境で実現するとのこと。