吉沢亮 「イケメンって言われることは…」苦悩した10代&20代 「暗い役やりたくてしょうがなかった」

俳優の吉沢亮(31)が20日放送のNHK・Eテレ「スイッチインタビュー」(金曜後9・30)に出演。10代、20代の時に考えていたことを語った。
主演映画「国宝」(監督李相日)で歌舞伎指導を担当し、出演もした歌舞伎俳優の中村鴈治郎と対談。
「国宝」は、両親を亡くし、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄の一代記。芸の道を突き進み、稀代の女形に成長していく50年が描かれた。公開2週目にして前週比143.4%を記録するなど大反響となっている。
劇中では、伝説の女形・小野川万菊(田中泯)が、喜久雄の美しい顔立ちを「役者になるんだったら邪魔も邪魔。そのお顔に自分が食われちまいますからね」と言う場面がある。
歌舞伎の美しさと狂気が表現されたシーン。「きれいな自分としてはどう?若い頃からあった亮自身の葛藤、それをそのまま言い表してるのかなとも勝手に思った」と鴈治郎。「国宝級イケメン」とも言われた端正な顔立ちを持つ吉沢の心情に迫った。
「どうなんですかね?」と苦笑した吉沢は、「いわゆるイケメンって言われることは嫌な思いはしないけれど、お芝居を見てくれよと。それこそ10代、20代前半とかはものすごい強かった。役作りで無駄に太ってみたり、芋っぽく見せることに注力してる時期もあった」と回想。
さらに「もっとぐちゃぐちゃしたやつやりたいんだよって。うつ展開の作品とか大好きで。暗い役やりたくてしょうがなかった。なんか三枚目みたいな役がすごい来る時期があったんですよね」と葛藤を抱えていた時期も。
「そういう時期に李監督の『怒り』っていう作品のオーディションとかも受けていて。人間の内側のドロドロしたものをすごい生々しく描くみたいなのが、もう憧れてしょうがなくて。そういうのに出たいと思ったけど、当時は監督に見向きもされなかった」と、かつてオーディションに落ちていたことを明かした。
その李監督の作品で、今回は念願かなっての主演。「(当時は)実力でお芝居ができると示したいし、そういう人気が欲しい、顔で売れたくないみたいなのが異常に強かったんだと思います。でも、いろいろお仕事させていただく中で、周りの評価みたいなものに左右されなくなってきた。あまり気にならなくなってきた」と自身の変化を語った。