吉沢亮 「意味わかんない!」と大混乱 監督からまさかの一言に… 映画「国宝」撮影裏話

俳優の吉沢亮(31)が20日放送のNHK・Eテレ「スイッチインタビュー」(金曜後9・30)に出演。公開中の主演映画「国宝」(監督李相日)で歌舞伎指導を担当し、出演もした歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)と対談した。
両親を亡くし、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄は芸の道を突き進み、女形として人間国宝にまで成長する。その50年が描かれた壮大な一代記だ。公開2週目にして前週比143.4%を記録するなど大きな話題を呼んでいる。
師匠(渡辺謙)の代役に抜擢されて戸惑う喜久雄を演じながら、女の情念を内に秘めた「曾根崎心中」のお初を演じた。
喜久雄を演じながら、劇中では歌舞伎役者として女形を演じる「二重の演技」という難題に向き合い、2つの役柄を同時に演じたシーンは時間をかけて何度も撮影されたという。
お初を演じたシーンは「僕としては、長い間稽古を重ねたお初を舞台上で昇華するイメージだったんですけど、本番に入って、監督が僕のところに来て“喜久雄でやって”って一言言われて…」とまさかの一言が。
「もう、意味わかんない、意味わかんない!と思いながら」と感情が大混乱したと苦笑い。
一方で「それまでは、声のトーンやリズム感みたいなことをすごく意識しながら稽古もしていたし、監督にそれ言われるまではずっとその感じで芝居してたんですけど…いったん学んだことは置いといて、物語の中の喜久雄のバックボーン、葛藤、手の震え、そういうものが全部舞台上で良い方向にさく裂していく。その感覚を大事にしながらやっていた」と困惑した気持ちを振り切って演技に集中したという。
「正直、あの芝居やってるときはやりながら本当にこれでいいのか。本当に歌舞伎として成立するのかと思いながらやってましたけど…映画を見た時に物語の中の彼らの感情、バックボーンが集約されている、物語の盛り上がりポイントとしてあの表現が映画としてはマッチしてたんだなって。歌舞伎を映画で描く意味をあのシーンで見て感じました」と振り返った。