6回、同点ソロを放つ小野寺(撮影・北村雅宏)  

写真拡大

 「ウエスタン、阪神1−3オリックス」(13日、日鉄鋼板SGLスタジアム)

 高く舞い上がった白球は尼崎の夜空に消えていった。1点を追う六回。先頭で迎えた第3打席だった。この回から登板した阿部の4球目。阪神・小野寺暖外野手(27)は高めに浮いた直球を見逃さなかった。鋭く捉え、レフトスタンドの防球ネットに突き刺した。「結果を残せて良かった」と特大の一発にうなずいた。

 会心の一発は、小野寺にとってオフの取り組みの成果そのものだった。「ずっと2年間くらい逆方向にこだわりすぎて、引っ張った強い打球が打てなくなっていた。それ(引っ張りの打球)が最近増えてきている。続けてやっていきたい」と手応えをにじませた。

 本塁打だけではない。初回は1死一塁から左前打、三回2死では中前打も放ち、本塁打と合わせてチーム唯一の3安打と気を吐いた。

 平田2軍監督は「遠征に連れて行ってもらえなかったが、しっかりこっち(尼崎)で打ち込んでいた」と残留練習の取り組みを評価した。「自分の思っている形にはなってきている。1軍のチャンスをもらえるように頑張ります」と小野寺。昇格に向け、牙を研ぎ続ける。