7回、左越え2点本塁打を放ちチームメイトに迎えられる青学大・小田康一郎(右)=撮影・持木克友

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 「全日本大学野球選手権・準々決勝、青学大5−0北海学園大」(13日、神宮球場)

 神宮に衝撃音を残した。勢いよく上がった打球を見つめ、淡々とダイヤモンドを一周。今秋ドラフト候補の青学大・小田康一郎内野手(4年・中京)がダメ押しの一発を放った。

 3点リードの七回1死一塁。2球で追い込まれたが、好打者の脳内では思考が巡らされていた。「初球の真っすぐが低めの良いところに来て、これ以上はないかなと。次のカーブは良い高さだと思ったのでわざとフルスイングで空振りして、あとは真っすぐが来てくれ、と」。カーブに“一発の危険性”を感じさせ、直球を誘導。狙い通りに外角149キロを捉え左越え2ランを運んだ。

 前日12日は初戦の緊張感や降雨による日程変更もあり「引っ張り気味でタイミングがつかめていなかった」と“本拠地”で納得いく打撃ができず。一発勝負の短期決戦の中で「センターから逆方向へアプローチしていこうかなと」とすぐさま修正し「神宮では初めて」という逆方向弾。四回先頭でも先制点を呼び込む左中間への二塁打を放ち結果につなげた。

 「どれだけチームを勝たせる打撃ができるかをリーグ戦から考えてきた」。史上初の大会3連覇へ、勝負強さを発揮する。

 ◆小田 康一郎(おだ・こういちろう)2003年8月15日生まれ、21歳。東京八王子市出身。173センチ、85キロ。右投げ左打ち。5歳から八王子リトルで野球を始め、四谷中では八王子シニアに所属。中京では1年夏からベンチ入りし甲子園4強に貢献。青学大では1年春からデビュー。50メートル走6秒2、遠投100メートル。