ラトビア “小さくとも、輝き続ける国”急速な成長を発信 消えたミャクミャクは…大阪・関西万博

北ヨーロッパ・バルト海に面したラトビア共和国が5月20日、大阪・関西万博で「ナショナルデー」を開催。“急速に経済成長を遂げる、輝く小国”をアピールした。


ラトビアはリトアニアとともに「バルトパビリオン」を出展。バルト地域の自然の多様性などを紹介している。
パビリオンは予約不要で入場できる。現地のスタッフが、日本語でナビゲーションしてくれることも人気を呼んでいる。


ラトビアは人口約200万人。国土の半分を森が占め、山の最高峰でも標高300メートルほどしかないため、高台から美しい大地が広がるのを感じることができる。


ナショナルデーには、公式文化プログラムに出演する音楽家や舞踊団が来日し、日本とラトビア両国による多彩な文化プログラムや経済交流が行われた。


ラトビアを代表するシンフォニエッタ・リガの弦楽四重奏団、民族楽器の奏者のほか、日本から参加したシンガーソングライター・麦野優衣さんは「さくらさくら」を熱唱、太鼓奏者の関美弥子さん、箏奏者の大川義秋さんともコラボレーションした。


この文化プログラムは、異なる文化的背景を持つ音が重なり合う『VOICE and ECHO(響きと声)』と題され、両国の声が響き合う幻想的な空間を演出した。



また、大屋根リングの下で繰り広げられたパレードでは、伝統舞踊団のダンサーや、パビリオンのスタッフなどが参加。 ラトビアの伝統楽器「トライデクスニス」をはじめ、アコーディオンやバイオリンなどを奏でた。


公式セレモニーでは、エドガルス・リンケービッチ大統領が登壇し、ラトビアが1925年のパリ万博に参加して100年という記念すべき節目の年にあたることに触れ、「ラトビアの大阪・関西万博への参加は、経済外交のさらなる発展に向けた重要な一歩であり、国際社会における存在感を高める機会だ」とスピーチした。


このほか、会場内ではビジネスフォーラムも開かれ、「スマートシティ」「モビリティ」「エネルギー」分野で、日本、ラトビアで活躍する専門家が活発に議論した。


この日、来場者数が20万人を突破したパビリオンでは約300種の薬草を展示している。これらは製薬やバイオ化粧品業界に効能や活用法に関する知見をもたらしている。


展示にはグロウグラス社の“反射しないガラス”を使用。このガラスはフランス・パリのルーブル美術館の名画「モナリザ」の保護にも使われている。


このほか、ラトビアの伝統的なオーナメント「プズリ作り」が体験できるワークショップも開かれた。プズリは、古くからラトビアに伝わる麦藁細工で、正八面体をベースにした立体構造を持ち、天と地、過去・現在・未来・四季を表していると言われている。


5月13日、エントランスに飾っていた万博公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみが持ち去られたが、それを知った来場者がパビリオンに多くのグッズを寄付した。

ラトビア政府のコミッショナージェネラル、ラースマ・リーダカさんは、「心ある日本の皆さんのおかげで、ミャクミャクに寄り添っているバラビちゃん(バルトの名産・ポルチーニ茸をモチーフにしたパビリオンのキャラクター)もたくさんの仲間に囲まれている」と喜んだ。



