豊昇龍 反撃5連勝!先場所金星配給・一山本に貫禄 休場に追い込まれた因縁の相手に雪辱果たした

「大相撲夏場所・9日目」(19日、両国国技館)
豊昇龍が勢いに乗ってきた。2日連続の金星配給となった4日目から息を吹き返して5連勝。連敗時は付け人を通じて取材を断っていたが、この日は大勢の報道陣に囲まれても上機嫌だった。「親方に『肩の力も顔の力も抜いて』と言われる」と自虐エピソードを明かす余裕を見せつつ、「慌てず集中する気持ちで土俵に上がった。自分のペースでいこうと思った」とうなずいた。
先場所は同じ9日目に敗れ、新横綱として39年ぶりの休場に追い込まれた因縁の相手。鋭く踏み込んで一山本のもろ手を受け止めると、すかさず手繰って右手でいなし、はたき込んだ。鋭い眼光でまわしをバシバシとたたく。場所が進むごとに持ち味の気迫が戻ってきた。八角理事長(元横綱北勝海)は「いいんじゃないですか。前に出てから(のはたき込み)だから」と一定の評価を口にした。
10日目は過去8勝5敗(不戦勝を除く)のくせ者・宇良との取組が組まれた。綱とりを狙う大の里には2差をつけられており、自身は「意識していない」と話すが、最上位としてこのまま独走を許すわけにはいかない。
「他人のことは考えず自分のことだけ。一日一番に集中して結果が付いてくれば良い」と豊昇龍。支度部屋から引き揚げるときの横に大きく揺らす後ろ姿からは、充実感が漂ってきた。