睡眠不足は「認知症」や「糖尿病」のリスクになることはご存じですか? 寝れないリスクを医師が解説

睡眠不足は様々な健康リスクをもたらします。もし、何かしらの不調を抱えているのであれば、それは睡眠が関係しているかもしれません。今回は、睡眠不足による悪影響について「リブ再生クリニック」の住吉先生に解説していただきました。

監修医師:
住吉 公洋(リブ再生クリニック)
一般企業就職後、岡山大学医学部入学・卒業。岡山大学病院や民間医療機関勤務後の2021年、大阪府大阪市に「リブ再生クリニック」を開院。モットーは、「より幸せに生きたいという願いを支援する診療」。日本睡眠学会会員。
編集部
住吉先生
わかりやすいのは、すでに何かしらの病気があって、睡眠不足になっているケースです。代表例としては「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」ですね。日中の眠さやだるさに加えて、居眠り運転するようになると危険です。なお、一時的な無呼吸状態は誰にでも起こり得るので、病気かどうかの鑑別は必要です。体を動かせないレム睡眠中に、舌が落ち込んで気道が閉塞するようなことは、誰にでも起こり得ます。つまり、病気とまでは言えなくても、無呼吸状態から睡眠への悪影響を引き起こしている可能性はあるということですね。
編集部
体や脳が酸素不足になるということですから、未病だとしても怖いですよね?
住吉先生
そうですね。脳が酸素不足になるという意味では、脳梗塞と同じ状態です。そして、脳が日々、じわじわダメージを負うと、程度によっては臓器や神経の障害に至ることも考えられます。臓器障害の一例としては心臓疾患ですね。酸素不足で脳が「もっと血液を送れ」と命じますから、心臓に負担をかけてしまいます。神経障害の一例としては、認知症や記憶障害です。
編集部
病気・病的な状態が先で、睡眠不足は後のケースについて、ほかにもあればお願いします。
住吉先生
例えば、「高血圧症」でしょうか。高血圧で血流量が増えると、寝ている間につくられるオシッコの量は増えます。その結果、尿意で起こされ、睡眠不足になりかねません。夜間頻尿の全ての原因が高血圧にあるわけではないのですが、一症例として考えられるということです。
編集部
住吉先生
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、うつ病、認知症など、考えられる不都合は様々です。ですが、「今、すでに起きている不具合」による「将来的な病気」の方が心配です。「今、すでに起きている不具合」なら、各種検査で拾うことができます。
編集部まとめ
睡眠不足は、認知症や高血圧症、糖尿病などの様々な疾患の原因になり得るとのことでした。すでに不調をきたしている人は、まず睡眠から見直してみるのもいいかもしれませんね。