フジテレビ系ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』公式サイトより
 ゴールデンウィークも終わり春クールのドラマも出揃いました。年間100本以上の日本ドラマをチェックするアラフォー筆者が、地上波のプライム帯(19〜23時放送)で放送されているなかから、“最後まで観たいおすすめ3選”をご紹介します。

※以下、各ドラマの一部ネタバレを含みます。

◆対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜

 まずは『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系、火曜よる10時〜/原作:朱野帰子)。過去の出来事から専業主婦という生き方を選んだ主人公・詩穂(多部未華子)が、仕事と二児の育児に奔走するワーママ(江口のりこ)や、育休中のエリート官僚パパ(ディーン・フジオカ)をはじめ、生き方も価値観も違う人たちと交流する姿が描かれています。

 はじめは「また、専業主婦とワーママの対立構造か……」とモヤモヤしていたのですが、そんな単純な話ではありませんでした。それぞれの立場を慮りながらも、自分が自分らしく生きることの難しさと大切さを丁寧に描いています。多様性を謳いながらも制度や社会は追いついていない、現代のモヤモヤを言語化してくれるのも本作の魅力ではないでしょうか。

◆SNSを中心に、多くの共感を呼んでいる

 例えば6話における“ロールモデル”の話題。「人生はビュッフェと同じ。誰かに『これもおいしいから食べろ』って自分のお皿に勝手にのせられたらイヤなように。私は私の選んだ人生を生きているだけなのに、“ロールモデル”と言われると誰かに役割を押しつけられているみたい」というのです。人生の選択をビュッフェの選択の難しさに例え、選択を押しつけられることへの窮屈感も分かりやすい。

 SNSを中心に、多くの共感を呼ぶ作品になっていることには激しく頷けます。

 ちなみに同じく火曜よる10時のNHK『しあわせは食べて寝て待て』(原作:水凪トリ氏による同名漫画)も、自分らしい暮らしの大切さを描いており、ふっと心を軽くしてくれる良作としておすすめです。

◆続・続・最後から二番目の恋

 古都・鎌倉を舞台としたヒットシリーズの続編『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系、月曜よる9時〜)は相変わらず高いクオリティ。

 テレビ局プロデューサー・吉野千明(小泉今日子)と鎌倉市役所で働く公務員・長倉和平(中井貴一)、そして長倉家の面々を中心とした不器用な大人たちの群像劇です。どれだけ歳を重ねてもままならない“人生の可笑しみ”が小気味いい会話劇で描かれる本作の魅力は、続編においても変わりません。更に一人ひとりのキャラクターが脚本と演者によって秀逸に創り上げられており、前作から11年経ったからこその円熟味すら感じさせます。

◆泣いたり笑ったりしながら、最後まで見守りたい

 特に4話。幼い頃に脳腫瘍で手術を受けるも完治しなかった過去をもつ、真平(坂口憲二)の主治医が亡くなったことが明かされたシーン。主治医の死と向き合えずに不安を抱えるも、家族にはカラ元気で振舞い続けた真平。そんな彼に和平と典子(飯島直子)は愛のある厳しい言葉をかけ、万理子(内田有紀)「双子の私が気づいてあげられなくて、ごめんなさい」と謝ります。第1期から変わらない仕草で、泣きながら万理子の頭を撫でる真平の姿に、涙が止まりませんでした。

 台詞も、所作も、表情も、兄姉それぞれのキャラクターをとてもよく物語っているのです。もうみんな愛おしい! 彼らと一緒に泣いたり笑ったりしながら、最後まで見守りたいと思います。

◆波うららかに、めおと日和

 そして春クール、今のところの筆者最推しは『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系、木曜よる10時〜/原作:西香はち氏による同名漫画)です。