「内田有紀は退所必至」 “芸能界のドン”の入院で何が起きる? ドンの息子は「自分にタレントが付いてくるとは思っていない」

昭和、平成、令和と、三つの時代を跨いで権勢を振るった“芸能界のドン”が倒れた。その下には、著名な人気タレントや歌手が多数。ドンの子息は自らが事業を継承すべく動きを進めているのだが、そんな中、所属タレントの身の振り方が注視されている。
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【写真を見る】内田有紀は退所必至? そのほかに事務所を離れそうな大物タレントとは
「1月3日、私は周防(すほう)さんとお食事をする約束をしていたのですが……」
こう語るのは、芸能事務所「バーニングプロダクション」(以下、バーニング)の創業者で“芸能界のドン”として知られる周防郁雄氏(84)と親交がある人物だ。
「待ち合わせの時間を決めようとしてこの日、周防さんに電話をかけたら、一向につながりませんでした。最近は携帯電話に出ないことが増えていたので、“忙しい方だし、今日は仕方ないな”と、約束が見送りになったと思っていたんです」

その後、ほどなく一部の業界関係者の間に、周防氏にまつわる衝撃的な情報が駆け巡った。
「知らせによると、周防さんがご自宅で体調を崩し、病院に緊急搬送されたというんです。一説には、間一髪のタイミングだったとも。ただ、すぐに元気を取り戻して、しばらく病院にとどまって検査や治療を受けているそうです」(同)
「ドンは生涯現役を公言」
しかし、周防氏とはこれ以降、連絡が取れなくなった。友人や業界関係者がどれだけ周防氏の携帯電話を鳴らしても、全くつながらないというのだ。そんな中で1月8日発売の「週刊文春」に、「“芸能界のドン”の終焉」と題した記事が載る。
芸能事務所関係者の話。
「青天のへきれきでしたよ。郁雄さんの息子の彰悟さん(49)が文春の取材に対して、〈会社(バーニング)の代表権は僕が引き継ぎ、親父には『相談役会長』になってもらった〉と答えていたからです。昨年12月、彰悟さんが自ら主導し、代替わりを行ったという。でも、“ドン”はかねて“自分が死ぬまでバーニングをつぶす気はない。自分の一代限りだ”と生涯現役を公言していました。“彰悟が継ぐのは無理”とも話していた。それなのに息子が代表になるなんて……」
約80億円の正味資産
ドンが率いるバーニング。設立は1971年で、歌手の郷ひろみ(69)や藤あや子(63)、長山洋子(57)、タレントの内田有紀(49)やウエンツ瑛士(39)らが所属する。
「従業員数約30名の小さな会社ですが、社長を務めてきた郁雄氏のカリスマ性により芸能界の盟主として君臨。のれん分けした事務所多数を束ねて“バーニング系”と呼ばれる一大勢力を形成したのです。レコード大賞や紅白歌合戦の歌手選考に影響力を持ち、全盛期は“帝国”と形容されたことも。スキャンダル報道をコントロールするような強面ぶりを発揮することもあったといいます」 (スポーツ紙記者)
所属タレントの高齢化もありながら、バーニングがなお有力な事務所であることは、経営面からもうかがえる。
「関東を中心にマンションやオフィスビルを計10棟ほど所有しています。さらに、分譲マンションの部屋を20室ほど所有し、預金もため込んでいる。会社として約80億円の正味資産を有しているのです」(同)
業界から冷たい視線を浴びたことも
だが今回、業界に大いなる影響を及ぼしてきたドンが倒れた、という不測の事態に見舞われたわけだ。
子息の彰悟氏はそれ以前から自らの登板へと準備を進めてきたようだが、まだ49歳と年若い。事務所を継がなくても十分食べていけるように郁雄氏から、音楽著作権を管理する関連会社『バーニングパブリッシャーズ』の社長にしてもらったが、タレントのマネジメントは「ほぼ未経験」(前出の記者)だといわれる。
「その昔、彰悟さんは音楽プロデューサーを務めていましたが、父の部下を使って宣伝を担わせたりして、業界から冷たい視線を浴びたこともあります」(同)
バーニングが父のカリスマ性で成り立ってきたことを思えばなおさら、おいそれと世襲を周囲が認めるものなのだろうか。
内田有紀は「退所」必至
実際、所属タレントの中には退所に向けた動きも見られるという。
「内田有紀は、きっと事務所を去るでしょう」
と、事情通がささやく。
「内田は郁雄さんを実の父親のように慕っており、自身が俳優の吉岡秀隆(54)と結婚した際も、披露宴に郁雄さんを“父親代わり”という扱いで招いたほど。郁雄さんのいない事務所に未練はないと思います」(同)
続いてはウエンツ瑛士。
「自分がタレントになれたのは郁雄さんのおかげだと常々口にする彼は、NHK紅白の司会を務めて“ドン”に最前列の席でその雄姿を見てもらうことが夢。内田と並んで彼も郁雄さんの子どものような立場で、同じく退所を検討するものとみられます」(同)
一方、残留する者もいるとは目されるが、
「藤あや子や長山洋子については、もはや演歌というジャンル自体が下火なので、引き取り手となる事務所が見つかりそうにない、といった事情があります。ただ、この二人についても新たな事務所探しを模索するかもしれません」(同)
誰より長く郁雄氏と寝食を共にしてきた看板タレント、郷ひろみはギャラの支払いの面で優遇されていたこともあり、「自分はずっと残る」旨の意向を示しているという。
「タレントが付いてくるなんて思っていない」
こうした点、当の彰悟氏に見解を聞くと、
「父は10年以上も前から私に“所属タレントは俺に付いてきているだけだ。勘違いするなよ”と言っていました。私だってタレントが付いてくるなんて思っていません。しかし、父が体調に問題を抱えるようになり、どうしても会社を継がなくてはいけなくなってしまったのです。昨年12月以降、父が懇意にしている弁護士と話し合い、法律に則って手続きを進めてきました」
引き継ぎはやむを得ざる措置で瑕疵(かし)もなく、クーデターでもない、というのである。
「芸能事務所『ケイダッシュ』の川村龍夫会長(84)にも相談をしています。私は正直、タレントのマネジメント部門をなくしたいと思ったのですが、川村会長から“郁雄はまだ死んでいない。全てのタレントに残ってもらえるように、おまえが頑張って説明しろ”と言われました」(同)
芸能界の重鎮の一人、川村会長は郁雄氏と千葉県の市川高校で同級生。盟友でも、ライバルでもあった。
「川村会長の命を受け、ようやく所属タレントの約半数に事情説明をし終えたところです。ある大御所(のタレント)は“バーニングに残ります”と言ってくれました。他のタレントたちは“郁雄さんに会ってから判断したい”という反応でしたね」(同)
「携帯電話の電源を切って出られないようにしている」
郁雄氏と周囲が音信不通となっている件については、こう語る。
「父は今も入院を続けており、体調面の心配があるので、携帯電話の電源を切って出られないようにしているのです。タレントのみなさんには“父が施設に入るなどして面会ができる状況になれば随時、会って話をしていただくので、しばしお待ちください”と説明をしています」(彰悟氏)
ドンの不在は、芸能界の景色をどこまで変えるか。
「週刊新潮」2025年1月23日号 掲載