「Nintendo Switch 2」突如発表でも少ない"驚き"
1月16日夜、いきなり発表された「Nintendo Switch 2」は、ほぼリーク通りの内容だった(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
2025年1月16日夜、突如「Nintendo Switch 2」が発表された。
Nintendo Switch 2は、すでに1億4千万台以上も売り上げているNintendo Switchの後継機である。ここ数日、スペックや発表日時などのリーク情報が出回っていたが、ついに任天堂公式から情報が発表された。
今回は約2分の動画が公開されたのみで、あくまでお披露目といった程度である。詳細は2025年4月2日に行われるNintendo Directで発表されるものの、それでもこの短い映像から「期待の要注目ポイント」が見て取れる。詳しく解説していこう。
本体は大型化、Joy-Conには新機能
Nintendo Switch 2は旧型よりひと回り大きめ。予告通り下位互換も保たれている(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
Nintendo Switch 2は旧型よりもひと回りサイズが大きくなるようだが、基本的な要素は同じようだ。取り外しのできるJoy-Con(コントローラー)が左右に1つずつあり、携帯機のように遊ぶこともできれば、ドック(兼充電台)に接続してTVに画面を映すこともできる。
そして、Nintendo Switch 2では専用ソフトのみならず、旧型のゲームも遊べるとも発表された。これは事前の発表通りで、下位互換を備えつつも新型のみで遊べる作品が出るということだろう。ゆえに当然ながらスペックもアップしていると考えられ、さらに動作の重たかった従来のゲームが快適に遊べるようになる可能性もある。
カラーは黒を基調としており、かなり地味だが、あくまでNintendo Switchの上位機種であることをアピールしているとも捉えられる。
右側のJoy-Conには新しいボタンが確認できる。接続方法や端子も変わっているほか、光学センサーと思しきものも(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
一番大きな変更点はJoy-Conだろう。ボタン配置やスティック以外の仕様が大きく変わっており、なんらかのセンサーが確認できるほか、本体への接続方法がスライド式から吸着するような方式になっている。
映像の中ではJoy-Conを単体で立てて、滑らせるシーンが確認できる。事前のリーク情報からは、新しいJoy-Conは光学センサーによってマウスのように操作できるのではないかと予想されていたが、まさしくそのような様相だ。
右側のJoy-Conには、新しく四角いボタンがあることも確認できる。これは、現時点ではまったくもって不明だが、なんらかの機能が追加されるのだろう。
「マリオカート」の新作らしきゲームシーン。マップやカートも新しいものになっているようだ(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
また、「マリオカート」の新作らしき映像も確認できた。Nintendo Switch 2の発売にあわせたローンチタイトルも複数用意されるはずなので、これがその1つなのだろう。
ポイントはやはり新作タイトル
▲細かい点だが、本体上部にもUSB-Cと思しきポートが確認できる(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
すでに高い人気を誇るNintendo Switchが新型になるにあたって、どのようなメリットがあるだろうか。
まず、スペックアップはユーザーが最も求めていたものである。Nintendo Switchは2017年発売のため、家庭用ゲーム機としてはかなり古い。新しいゲームの動作が重かったり、グラフィックをかなり簡素にせざるを得ないケースがいくつもあった。
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』といったタイトルも処理落ちがかなり発生しており、公式に謝罪を出すほどの事態になっていた。ほかのタイトルではNintendo Switchに移植する際に要素が削られたケースもあったので、スペックが上がるだけでかなり快適な体験になるだろう。
マリオカートらしき映像では、スタートラインが6✕4の24個ある(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
なお、新作「マリオカート」と思われる映像では、スタートラインが24個用意されていることに注目が集まっている。つまり24人という大人数で対戦ができるようになるかもしれず、スペックアップの恩恵が明確になりそうだ。
Joy-Conの新しい操作も重要である。これを任天堂らしい新しい遊びに活用してくるのは間違いないだろうし、スーパーファミコンで発売された「マリオペイント」のように専用のゲームソフトが用意される可能性もある。
また、マウスのように扱えるのであれば、Nintendo Switch 2がインディーゲーム(独立した個人や小規模チームが制作するゲーム)の受け皿としてさらに進化する可能性がある。
映像では新しいJoy-Conを滑らせて使っている。やはり、この動きはマウスを連想させる(画像はYouTube「Nintendo Switch 2 予告映像」よりキャプチャー)
元々Nintendo Switchは、気軽にインディーゲームを遊べるプラットフォームとして注目されている。しかし、インディーゲームはPC向けに発売されることが多く、それゆえにマウス操作を前提としたものも少なくなかった。
もし、Nintendo Switch 2がマウス操作にも対応するのであれば、そういったインディーゲームが遊びやすくなるのはもちろん、FPS(1人称視点シューティング)のような作品を展開しやすいゲーム機になりうる。
勝負の分かれ目は「専用ソフト」
事前に情報が漏れてしまったせいで驚きが減ってしまったのもあるが、そもそも「Nintendo Switch 2」というネーミングはかなり安直だ。発表内容にも驚きは少ない。前述のように色合いも地味と感じるし、マイナーチェンジのような印象を与えてしまうのではないか。
となると、やはり専用ソフトがどれほど出てくるのかが勝負の分かれ目となるだろう。「スプラトゥーン4」や「スーパーマリオ」新作などを早期に投入できれば、多くのゲーム好きが集まるのは間違いない。
春の情報公開でNintendo Switch 2は、どれほどの驚きを与えてくれるのだろうか。
(渡邉 卓也 : ゲームライター)