兵庫百条委の県議、ユーチューブに動画削除請求 「虚偽や名誉毀損」
兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した文書について調べている県議会調査特別委員会(百条委員会)委員の丸尾牧県議が9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」の運営会社に対し、動画15件の内容が虚偽や名誉毀損(きそん)にあたるとして削除請求をしたと発表した。
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投稿した発信者の情報開示も請求し、X(旧ツイッター)の書き込みも同様の対応をする考えという。丸尾氏は「言葉を大切にし、信頼しあえる社会を構築するために、取り組みを前に進めていきたい」としている。
丸尾氏によると、削除請求した動画では、県議会の不信任決議で斎藤氏が失職したことに伴う知事選をめぐり、「(斎藤氏を退陣させる)騒動の首謀者」などと名指しされていた。県職員アンケートを丸尾氏が捏造(ねつぞう)したと主張する動画もあったという。
丸尾氏は「デマ動画が投稿され、それに沿うように批判的な電話やメールが相次ぐ。ネットリンチともいえる状態だ。きちんとした対応を取らないと、いつまでも続くと考えた」と話す。何度も投稿するなど悪質なものに対しては、名誉毀損容疑での刑事告訴や民事の賠償請求を検討するという。
■斎藤知事の証人尋問、25日実施へ 片山前副知事も
また、百条委の理事会が9日開かれ、25日の百条委で証人尋問を行う方針を確認した。複数の県関係者によると、斎藤氏と片山安孝前副知事を尋問する予定で、公益通報に関する参考人として弁護士1人も呼ぶという。
奥谷謙一委員長は、百条委の証人尋問は25日が最後になる見通しで、報告書を来年2月の県議会定例会までにまとめる意向を示した。
斎藤氏には過去2度、証人尋問をしている。3度目の証人尋問は再選後すぐの11月25日に行われる予定だったが、斎藤氏は公務で全国知事会議に出席したため、百条委は年内の尋問を模索していた。