角力山、大茄子川、再名生…読めそうで読めない珍名が続々!名字研究家vs日本一のはんこ屋 第22弾
12月6日(金)放送の『沸騰ワード10』は、名字研究家・郄信幸男さんと日本一の品揃えを誇るはんこ屋・秀島徹さんの名字頂上決戦。
番組10年目を記念する今回は、22回目となる対決。ルールはこれまで同様、郄信さんが珍しい名字をフリップに書き、その名字のはんこが秀島さんの店に置いてあるかの十番勝負。
直近1勝20敗と圧倒的に劣勢の郄信さんは、「今日はリベンジで秘策をいっぱい持ってきた」「あの手この手どんな方法使っても、絶対勝ちます」と意気込んだ。対する秀島さんも11万種類のはんこを揃えていた前回から約180本のはんこを増やし、万全の態勢で挑む。
まず郄信さんは宮城県白石市で見つけた全国4軒の1文字名字「法廚鮟仟蝓秀島さんが悩みながら探して押したのは…降参のはんこ!
「かなり」と読むこの漢字は、「良い」や「たたえる」という意味を持ち、もともと別の漢字を使っていた「かなり」さんが縁起の良いようにとこの漢字に変えたという(郄信さん調べ。諸説あり)。まずは郄信さんが先制。
駆け落ちで生まれた珍名?
第2問は全国4軒の「法喜」。秀島さんが押したのは…再び降参のはんこ!
なんと、郄信さんが連勝。「ほうき」と読むこの名字は、江戸の頃、東北の村に「法木(ほうき)」というお坊さんがいたが、その家が空き家に。そこへ駆け落ちしてきた夫婦が住みたいと申し出たため、村人は法木の名を継ぐことを条件に認めることにし、明治時代、戸籍を届ける時に子孫が「木」の字を縁起が良い「喜ぶ」に変えてこの名字が誕生したという(郄信さん調べ。諸説あり)。
相撲にまつわる珍名
第3問は全国5軒の宮城県の名字「角力山」。千葉・舞浜駅前で4時間かけて全国の珍名さんを集める中で見つけた名字だ。
秀島さんが押したのは…「角力山」のはんこ!今年彫ったばかりだそう。
「すもやま」や「すもうやま」と読むこの名字は、「角」には「競う・争う」などの意味があることから、角(きそ)う力(ちから)と書いて「すもう」と読んでいた歴史に由来。その相撲の試合で優勝した力士が、褒美として賜った名字という(郄信さん調べ。諸説あり)。
ちなみに、相撲に関する名字は他にも行司(ぎょうじ)、塩(しお)、力士(りきし)などがあるそう。
職人の誇りを表す名字
第4問は、視聴者からの情報提供による全国2軒の千葉県の名字「小兵具」。「(最初に)小さいと付く名前は日本で2番目に多い」ため、探すのが大変だそう。
秀島さんが押したのは…?「くっそ!降参」のはんこ!郄信さんが3勝1敗とリードする形に。
「こひょうぐ」と読むこの名字は、手裏剣などの小さな武具や防具を作った人が、その出来栄えから褒美として賜った名字とされる(郄信さん調べ。諸説あり)。
誤解が生んだ珍名
第5問は、4文字の「大茄子川」。こちらも宮城県の名字。結果は…秀島さんの勝利!
「おおなすかわ」と読むこの名字は、「鳴りものを鳴らしてはならない」というお城からのお触れを「木に生るものを生らしてはいけない」と村人が聞き間違え、栽培していた茄子を川に流したことが由来の地名「茄子川」から生まれた。そこに住んでいた一族が、さらに縁起の良いように大をつけて名乗ったという(郄信さん調べ。諸説あり)。
読めない旧字の珍名
第6問は全国1軒の「無盡」。読み方が分からない難しい旧字だが、その結果は…秀島さんがはんこを見つけ、3対3の同点に!
読み方は、「むじん」。集落の仲間内で定期的に集まってお金を出し合い、困っている人に融通し合う初期の信用組合のような江戸時代の慣習「無尽」から生まれた。この集まりを取りまとめていた人が名乗った名字という(郄信さん調べ。諸説あり)。
個性を求めて漢字を変えた!?
第7問は、全国1軒の「逈葉」。対戦相手・秀島さんのテリトリーである福岡県から出題。吉と出るか凶と出るか…?
結果は、秀島さんの勝利!読み方は「つるば」。鶴に羽と書く「つるば」さんは全国に約150軒いるが、その中で他の同じ名字の人よりも個性を出したいと漢字を変えて名乗ったと思われる(郄信さん調べ。諸説あり)。秀島さんが3連勝し、4対3と逆転。
聞き間違いで生まれた珍名
第8問は熊本県に1軒だけの「戌紱」。結果は、秀島さんの勝利!5対3とリード。
「いんとく」と読むこの名字は、「犬童(いんどう)」さんが戸籍を登録した際、役場の人が「いんとく」と聞き間違え、音にあった字を当てたという(郄信さん調べ。諸説あり)。
このように聞き間違いや書き間違いによって生まれた名字は多く存在するそう。
よく見る名前が逆さまに?
第9問は、福島県に1軒限りの「摩多」。秀島さんが押したのは、降参のはんこ!郄信さんが崖っぷちからなんとか持ち堪え5対4に。
「また」と読むこの名字は、戸籍の登録の際に、役場の人が「多摩」さんを間違えて「摩多」と登録して生まれたと考えられる(郄信さん調べ。諸説あり)。
シンプルだが読めない珍名
勝負の第10問!出題したのは、宮城県の全国6軒の珍名「再名生」。シンプルだが、珍しい組み合わせだ。
最後の望みを託した郄信さん。結果は…秀島さんの勝利!なんと50年前から知っていた名字だという。
「さいみょう」と読むこの名字は、戦で瀕死の状態から生き返った武士が「再び名を変えて生まれ変わる」という意味を込めて名乗ったという(郄信さん調べ。諸説あり)。
こうして、秀島さんが21連勝を達成!「どうやったら勝てるんだろうなぁ」と郄信さん。来年も珍名探しは終わらない!?