中国人専用の違法風俗店が営まれていた現場のマンション

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 池袋駅西口から北へ徒歩6分。駅前の繁華街を抜けた先にそのマンションはあった。築40年弱、9階建ての何の変哲もない建物の一室でなんと「中国人専用」の風俗店が営まれていたという。

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 11月15日、警視庁国際犯罪対策課はその風俗店〈梦巴黎(ゆめぱり)〉を経営する中国籍の女性、陳立鳳容疑者(32)の逮捕を発表した。

 社会部記者が言う。

「10月5日に警視庁はこの風俗店を摘発しており、従業員女性16人と経営幹部の男女4人が風営法違反ほう助などの容疑で逮捕されています。彼らの供述から陳容疑者が浮上し、今回の逮捕に至りました。10月の摘発で捕まった従業員は全員が日本語学校の生徒で、周辺のマンションなど計3棟、16部屋で客を取っていたといいます」

中国人専用の違法風俗店が営まれていた現場のマンション

日本人お断り

 完全な“裏風俗”だが、中国人客はどのようにして店を探していたのか。

「実は在日中国人のための風俗ポータルサイトが複数あるのです」

 とは在日中国人コミュニティーに詳しい奥窪優木氏。

「サイトには各地の中国人向け風俗店が掲載されていて、それぞれの店舗のページには女の子の紹介と、中国のSNSであるウィーチャットのIDなどが記載されています。客がここへ連絡を取ると、マンションの部屋番号などが伝えられるというシステムです」

 店舗の住所を明記しないことで摘発のリスクを減らしているというわけだ。

〈梦巴黎〉のページを開くとウィーチャットIDなどと共に出勤予定として女性20人ほどが表示された。料金は女性ごとに異なり、90分あたり2万円前後が多い。

「同じマンション内に複数の部屋を借りている店だと、まず7〜8人の女性が待機している部屋で好みの子を選び、別の階の部屋でサービスを受けるという例もあるそうです。摘発を恐れて日本人の客は完全に排除されていて、バレるとつまみ出されてしまう」(同)

 ポータルサイト内は全て中国語で、確かに日本人お断りだ。

“性都”から流れて

 あるポータルサイトには都内に限らず名古屋や大阪など各地の計60店舗ほどが紹介され、中には日本人女性が働いている店もあった。奥窪氏によれば、国内で「中国人専用」風俗店が増え始めたのは10年ほど前からだというが、ここまで増えたのはなぜなのか。

 中国人ジャーナリストの周来友氏によると、

「習近平が国家主席に就いて以来、中国国内では風俗店の摘発が活発化しています。2014年には広東省の東莞という街が大規模な摘発を受けました。東莞は“性都”と呼ばれるほど性風俗業が盛んで、およそ10万人の女性が働いていた。この摘発を受けて、職にあぶれた女性たちの一部が日本に流れて定着したことが始まりとされています」

おいしい商売

 都内の在日中国人は年々増加し、現在約27万人。風俗の需要も増えているという。加えてウィーチャットの隆盛も関係しており、

「在日の中国人同士はウィーチャットでつながり、食料品の売買から外貨両替まで独自の経済圏を築いていて、そこには性風俗業も含まれる。ウィーチャットの決済機能で支払えば脱税しても足がつきにくく、おいしい商売なんです」(周氏)

 警察も益々、監視の目を光らせるしかない。

「週刊新潮」2024年12月5日号 掲載