イスラエル軍の空爆後、立ち上る煙=1日、レバノン南部ティール(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】ロイター通信は1日、レバノンとパレスチナ自治区ガザを巡る停戦交渉がいずれも難航していると報じた。バイデン米政権は特使を中東に派遣するなど、それぞれの停戦に向けた働きかけを強めているが、奏功していない。イスラエル軍は1日もガザ、レバノンへの攻撃を続行。双方で犠牲が拡大し、交渉進展を阻む障害となっているもようだ。

 ロイターによると、イスラエル軍とレバノンの民兵組織ヒズボラの戦闘では、仲介役の米政府が示した停戦案に、イスラエル軍が「差し迫った脅威」に対応してレバノン領内を攻撃できるという内容が含まれることが問題になっている。

 レバノン政府はイスラエルによる主権侵害と批判。米政府は60日間の停戦案を示したとされる。

 イスラエル軍は1日もヒズボラの影響力が強いレバノン北東部の複数の村やベイルート南部を空爆した。

 一方、イスラム組織ハマスは、エジプトやカタールから示された新たな提案に、恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤収などが含まれていないとして、受け入れを拒否する姿勢を示した。