XFN-ASIAによると、中国人民銀行(中銀)の金融政策委員会の樊綱委員は、企業の設備投資や銀行貸出を抑制するため、今後、数カ月以内に人民銀行が追加利上げする可能性は排除できないとの見解を示した。これは、中国の経済紙「21世紀経済報道」が報じたもの。ただ、樊委員はインフレ率が現在、1%を超える程度の水準で比較的落ち着いており、2004年の4-5%や昨年初めの6%に比べると追加利上げの圧力は強くないとしている。

  不動産投資と土地利用への規制強化によって、中国の7-9月期GDP(国内総生産)は前年同期比+10.4%と4-6月期の+11.3%に比べ、やや拡大のテンポが鈍った。また、10月の消費者物価指数は、前年同月比+1.4%で、1-10月は前年同期比+1.3%となっているが、同委員は景気過熱の兆候が現れたら、直ちに利上げが必要だと述べている。

  また、21世紀紙は、有力国有企業や証券会社などの金融機関が利上げに反対して、障害になっていると指摘したが、同委員は、設備投資を地方政府レベルで抑制するよう中央政府が行政指導する必要があると指摘した。【了】

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