〈ケンコバが全国のビジネスホテルを探訪〉地元の居酒屋の女将さんが「あとで部屋行くね」なんてことも…プライベートよりも素を見せる人気番組に密着

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お笑い芸人のケンドーコバヤシによる、人気番組『ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版』(BS朝日)。放送開始から1周年を記念したインタビューの後編では、番組の収録に立ち会いながら、ケンドーコバヤシに収録の裏側やこれまでの放送の思い出、番組へのスタンスなどを聞いた。(前後編の後編)

【画像多数】ロケ中、保育園の園児たちから手を振られたケンコバは…

自らの欲望だけで生きてる

──今日は収録にもお邪魔しています。ビジネスホテルに入ったあとの街歩きパートは、ずっと大喜利をされてるみたいで、大好きです。

ケンドーコバヤシ(以下同) そうですか? そこまで脳みそ回してるわけではないんですけど、確かに子供のときはそうやったかもしれない。

街にあるものをみて「なんなん、あれ」とか思いながら歩くお子さんやったんで、その延長かもしれないですね。

──なにか意識してることがあるわけではなく?

ですね。自然にやってます。意識してたら、飲みたいからって真夏に熱燗頼まないですよ! 

映像的にも、ここはちょっとコールドドリンクのほうがいいかな、と思う場面はあるんです。でも、熱燗に行く。自らの欲望だけで生きてる。

──自分の見たいものとか、やりたいもの、頼みたいものでやっていく。

苦しいときもありますよ。お店のイチオシメニューと自分が食べたいものの乖離。そこはお店に泣いてもらってます。

まあ、でもイチオシを言ってくれたらね、それを食べた方が確実にうまいですから。それはそれでありがたいですけど。

令和ちくわ騒動なんですよ、俺に言わせれば

──メニューと言えば、ファンの間で、ケンコバさんは「ちくわ」が好きだったのに、だんだん頼まなくなって、最近また頼み出したっていう話がありますが……。

それね、誤解を解きたいんです。最近、「天狗になってる」みたいに言われるんですよね。ちくわにあんだけ世話になったのにって。違うんですよ。意外と居酒屋のメニューにちくわがないんです。

あれば、頼んでる。もう腹いっぱいのときも、ちくわを発見してしまって、頼むときありますからね。

──じゃあ、頼まなくなったというより、メニューにあまりないから番組で見なくなったっていう。

そうです。今、米がないって騒がれてるじゃないですか。令和の米騒動って。あれに隠れてちくわもなくなってるんちゃうかな。“令和ちくわ騒動”なんですよ、俺に言わせれば。

──(笑)。

バナナマン・日村さんの爆食を見てるんで

──ちくわもそうですし、お雑煮好きというのも、この番組で初めて知りました。

そうそう、意外とね、ちくわはないのにお雑煮はメニューにあることが多い。正月しか食えないという固定観念、やっぱあるじゃないですか。

──東京の東銀座でお雑煮専門店(銀座もちふじ)に行かれていて。すごくたくさん食べられてましたよね。

あの日、1日で3キロ太りました。このときはさすがにやばいと思って、久々に夜中にウォーキングしましたもんね。ちょっと体動かして。

長崎で皿うどん(思案橋ラーメン)食べたときは、ロケ集合前にも皿うどん食ってたんですよ。

──2杯目(笑)。

それも、2~3キロ体重が増えましたね。

──いつも、すごく食べられていて、見ていて本当に気持ちいいんですよね。

いや、でも俺ね、プライベートで(バナナマンの)日村さんの爆食を見てるんで、自分の食事量を見たら情けないですけどね。恥ずかしいぐらい少ない。

昔ね、しこたま飲み食いした帰り道で、日村さんが「ラーメン食べたくなってきた」って。まだ食うんかって驚愕しましたよ。

セブン-イレブンの駐車場で、2人でしゃがんでラーメン食べたこともありますからね。田舎のヤンキーか、っていうね。

自分ではなにが好きかわからなくなってきました

──食べ物もそうですし、お酒もかなり飲まれますよね。

いや、そうなんです。普通にプライベートで飲むときぐらいには飲んでます。

──番組を重ねるごとにケンコバさんは好きなものがどんどんわかるのも魅力かもしれません。

もう、自分ではなにが好きかわからなくなってきました。この間、自由が丘の回で、この番組では初めてワイン飲みましたからね。

番組始まってからずっと、ワインは飲んでなかったんですよ。俺、ワインEDなんですよ。

──ワインEDとはどのような……?

ワインを飲んだときだけ、男性器が不能になる。

──そのままの意味……。

だから、ワインは普段から遠ざけてたんですけど。よくよく考えたら、この後なんもないよな、と(笑)。状況考えたら別に飲んでもええやん、と思って。

──(笑)。

とんでもないセクシージョークをいただきました

──飲食店で印象に残っているところはあります?

甲府で行った居酒屋「くさ笛」は、お母さんとフィリピン人の方のツーオペで、お酒担当はフィリピンの方で、お母さんが料理担当。

でも、俺がひいきされすぎて、お母さんが他のお客さんの料理一切作らないし、オーダーを受け付けない(笑)。「私は、ケンコバとちゃんと話すんだから」って。

──2人だけの世界。

うれしいというより、気まずさが勝ちましたね。それに次からは行きにくいですよね(笑)。それでも、愛されてるお母さんやから、お客さんも笑ってましたけどね。

横のお客さんが、結構俺に絡んできてて、全然よかったんですけど、お母さんから「お前もう出禁」みたいに言われてて。

最後に泊まってるホテルを聞かれて答えたら、「長襦袢(ながじゅばん)を着て部屋行くね」って。とんでもないセクシージョークをいただきました。

アバウトだけど、よろしくねって感じですよね

──他の旅番組のロケと「ビジホ泊」のロケって、やっぱり違うものですか?

違うんじゃないですかね。カメラが向こうに据え置きされてて、俺がきょろきょろしながら歩いてくるみたいな映像、他ではたぶんないです。

撮影もね、iPhone構えて撮っていただいてるんで、爽やかな感じを出さなくてもいいというか、オフの感覚でやれてると思います。

──出演者が完全に1人のスタイルじゃないですか。なにか大変なことはありますか?

いや、全く苦労はないですけど、よくよく考えたら1人で街ぶらぶらして飯食って、その間ずっとだらだらしゃべってるでしょ。カメラなかったら、やばいやつですよね。
 

──マイクが拾えないぐらいの声量のときもあります。

ほんまに。オフぐらいの発声でしゃべってますもんね。むしろ、プライベートより自然体の可能性もある。プライベートやったら誰かいたりしますからね。

やっぱ、人によって会話の種類って変えたりもするじゃないですか。そんなんも考えずしゃべってますからね。完全に1人で、カメラしかないから。

──そんな自然体のケンコバさんが楽しめる『ほろ酔いビジホ泊』ですが、ケンコバさんにとってこの番組ってどういう存在ですか?

もう1年やってるので、生活のリズムになってくるかと思ったんです。……でも、この番組、何曜日に収録するかって決まってないんです。だから、リズムにはなってない。

マネージャーとか番組サイドは大変だと思うんですけどね。その辺もアバウトだけど、よろしくねって感じですよね。

取材・文/谷頭和希 撮影/杉山慶伍


〈番組詳細〉

『ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版』

疲れた大人がふと日常から離れる至福のとき……それがビジネスホテル泊。たった一泊するだけでもなんだか少しワクワク…知らない街を散策して、居酒屋で少し贅沢するのも楽しい。仕事で出張するとき、小旅行するとき、“推し活”拠点にするとき……いつでも気軽に利用できる“ビジホ”ことビジネスホテルは強い味方。この番組では、ケンドーコバヤシがその日に宿泊するビジホを紹介するのはもちろん、その周辺の街で自由気ままなブラブラ歩きを実行! 誰にとっても身近なビジホの、すぐに参考にできるビジホ満喫プランをケンコバ目線でお届けする。

【クレジット】
出演:ケンドーコバヤシ
制作:BS朝日
制作協力:極東電視台
プロデューサー:品川朋彦(BS朝日)

【直近の放送】
10月3日 青森・五所川原市
10月10日 青森・弘前市
10月17日・24日 熊本
10月31日 東京・羽田