岸田文雄が放送禁止用語で高市早苗を「猛口撃」!感情むき出しの敵意が「石破茂新総裁」を生んだ
自民党・石破茂新総裁誕生の立役者となったのは、岸田文雄前総裁だった。自ら派閥を解散しておきながら、会長だった旧宏池会票を石破氏支持でまとめたからだ。岸田氏が石破氏を支持した要因はいくつかあるが、個人的に高市氏を毛嫌いしていたこともある。
高市氏が総裁になった場合、靖国神社参拝を公言しているため、自身が積み重ねてきた日米、日韓関係に亀裂が生じる。それを懸念したというのが、高市氏を支持できない表向きの理由とされる。
ところが宏池会関係者によると、岸田氏は高市氏について、放送禁止用語を使って「あの××××女」と感情をむき出しにしていたという。
岸田氏は当初、旧宏池会議員に対して「党員票が多い候補に入れる」との指示を出していた。石破氏が党員票でトップになることを見越しての発言だった。ところが高市氏が党員票で石破氏を逆転しそうな情勢になると「高市氏以外で」と変更した。
岸田氏がなりふり構わず高市氏を追い落とそうとする行動に出たのはなぜか。
「両者は抜き差しならない関係になっていた」
と宏池会関係者は証言する。
直接のきっかけは、能登半島地震だ。高市氏は1月16日、復興を最優先にすべく、来年開催の大阪・関西万博を延期するよう、岸田氏に進言した。万博は所管外だったが、高市氏の行動は「政権に反旗を翻したか」と党内外に波紋を広げた。
対応を迫られた岸田氏は、予定通り実施することを決めた。ところが高市氏が岸田氏とのやり取りを動画投稿サイトで暴露したため、岸田氏は激怒。高市氏は会見で「首相を信頼してお任せしたい」と発言を後退させた。
高市氏は2022年12月にも、岸田氏が防衛費を増額するための財源の一部を増税で賄う方針を示すと、SNSで「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」と批判した。これを野党から追及されると、
「間違ったことを申し上げた、との考えはない。罷免されるなら仕方がないとの思いで申し上げた」
と言って開き直った。
こうしたことが積もり積もって、岸田氏とすれば高市氏にリベンジしたのだろうが、ある閣僚経験者は、
「個人的な感情をむき出しに女性を攻撃するやり方は『ミスター・ジェントルマン』のすることではない」
と岸田氏を皮肉るのだった。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)