◆米大リーグ ロッキーズ2―13ドジャース(28日、米コロラド州デンバー=クアーズフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が28日(日本時間29日)、敵地・ロッキーズ戦に「1番・DH」でフル出場し、5打数2安打、1盗塁で逆転での首位打者&3冠王への希望を最終戦へつないだ。4戦連続マルチ安打、11戦連続安打で打率は3割1分となった。敵地・Dバックス戦を欠場した打率トップのL・アラエス内野手(27)を4厘差で追いかける。

 単なる調整の場ではない。大谷の勢いが止まることはなかった。初回先頭の1打席目で右翼フェンス直撃の安打を放つと、6回の4打席目にも右前安打。5打数2安打で打率を1厘上げて3割1分とした。直近9試合では39打数26安打の打率6割6分7厘。逆転での首位打者、3冠王へ、最終戦へ望みをつないだ。

 28日(日本時間29日)終了時点で54本塁打は2位のオズナ(ブレーブス)に15本差、130打点は2位のアダメズ(ブルワーズ)に18打点差をつけてトップ。メッツ、ブレーブス以外の球団は29日(同30日)がレギュラーシーズン最終戦とあって2冠王は確実だ。

 12年カブレラ(タイガース)以来12年ぶり、ナ・リーグでは1937年メドウィック(カージナルス)以来87年ぶりの3冠王へ向けて、首位打者獲得へは、最終戦も打つしかない。この日、アラエスは欠場。最終戦出場の意向を示したが、アラエスが出場し4打数無安打なら、大谷は2打数2安打、3打数3安打、4打数3安打以上が必要となる。29日のロ軍の予告先発・フェルトナーとは今季1試合対戦し、通算3打数1安打3打点。現在、11試合連続安打、4戦連続マルチ安打と好調とあって、ロバーツ監督は「あした(29日)が翔平のビッグデーになるか見てみよう」と不敵に笑った。

 試合前には「意識的に(長打ではなく)安打を打とうとしている」と話していた指揮官。イチロー以来日本人2人目となる200安打へも残り4本と迫っている。キャリア2度目の100打点に王手をかけたT・ヘルナンデスも、「マイアミ(19日)の試合みたいに、6安打打てばいい。そうすれば3冠王に近づく。それができたらいいね。俺もチャンスがあれば100打点を狙いたい」と願った。

 チームはシーズン97勝目で、MLB全体トップの勝率が決定。大谷の逆転3冠王は厳しい状況ではあるが、「気を緩めることなく、最後まで駆け抜けたい」と意気込んでいた大谷が、最後まで感覚を研ぎ澄まして打席に向かう。(安藤 宏太)

 ◆アラエス出場予定 ナ・リーグ首位打者、パドレスのL・アラエス内野手(27)が28日(日本時間29日)の敵地・Dバックス戦を欠場した。3年連続の首位打者へ打率3割1分4厘で2位の大谷(ドジャース)とは4厘差で残り1試合。現地報道などによるとこの日は休養でレギュラーシーズン最終戦となる29日(同30日)の同戦には出場する見込み。1安打で2年連続の200安打となる。

 ◆大谷の打率逆転トップの条件 アラエスが現在、3割1分3厘8毛でトップ。大谷が3割1分0厘1毛で追う。仮に29日(日本時間30日)の試合にアラエスが欠場した場合、逆転するには最低4安打が必要となるが、6打数4安打では及ばない。