2024年のアメリカ合衆国大統領選挙に共和党の指名候補として挑むドナルド・トランプ陣営がハッキングされ、副大統領候補のJ・D・ヴァンス氏を調査した文書が流出しました。この流出文書へのアクセスをX(旧Twitter)がブロックしていたのですが、新たにFacebookやInstagramを運営するMetaも同様の措置を取ったことが明らかになっています。

Meta blocks links to the hacked JD Vance dossier on Threads, Instagram, and Facebook - The Verge

https://www.theverge.com/2024/9/28/24256815/meta-blocking-jd-vance-dossier-hack



2024年7月、ドナルド・トランプ陣営が副大統領候補であるヴァンス氏を調査するために作成した文書が、インターネット上で流出しました。トランプ陣営はイランによる攻撃だと主張していますが、証拠は見つかっていません。当該文書は「ロバート」を名乗る人物から複数の報道機関に送りつけられましたが、ハッキングで流出した可能性があり、個人情報が含まれていることなどから、多くの報道機関は内容の公開を差し控えていました。

ドナルド・トランプ陣営がハッキングされ内部文書が流出した可能性を受けFBIが調査を開始 - GIGAZINE



ところが個人ジャーナリストのケン・クリッペンスタイン氏が、「選挙の時期に社会の大きな関心を集めている」として、自身のウェブサイト上で当該文書(ヴァンス文書)を公開。

しかし、クリッペンスタイン氏が自身のXアカウント上でヴァンス文書について宣伝したところ、同氏のアカウントが凍結されました。Xのセーフティチームは、アカウントを凍結した理由を「ヴァンス上院議員の住所と社会保障番号の大部分など、編集されていない個人情報の投稿に関する当社の規則に違反したため、一時的に資格停止とした」と説明しています。

Xがヴァンス副大統領候補の個人情報流出文書へのアクセスをブロックしてジャーナリストのアカウントを凍結 - GIGAZINE



Xに続き、MetaもFacebook・Instagram・Threads上でクリッペンスタイン氏が公開したヴァンス文書へのアクセスをブロックし始めたことが明らかになりました。MetaはFacebook・Instagram・Threadsでヴァンス文書へのURLを含む投稿を削除しています。

Metaの広報担当者であるデイブ・アーノルド氏は、テクノロジーメディアのThe Vergeに対して「当社のポリシーでは、ハッキングされた情報源からのコンテンツや、アメリカの選挙に影響を与えるための外国政府の活動の一環として漏洩されたコンテンツは許可されません。当社のコミュニティ規定に基づき、そのようなコンテンツが当社のアプリ上で共有されることをブロックします」と説明しています。

なお、Threadsはヴァンス文書への直リンクだけでなく、ScribdやGoogleドライブで公開されているヴァンス文書へのリンクもブロックしていることが明らかになりました。以下はScribd上でホストされているヴァンス文書へのリンクを含む投稿ですが、リンクをクリックしても「このリンクをThreadsから開くことはできません」と表示されます。

投稿者: @esqueer_ Threadsで見る




ヴァンス文書へのURLがブロックされたため、Threadsユーザーはクリッペンスタイン氏のニュースレター記事をGoogleで検索した際のリンクや、URLにランダムに半角スペースを追加したもの、「.」を「dot」に置き換えたものなど、さまざまな形でURLのブロックを掻い潜ろうとしています。