先日、大きな話題になったネットニュース。『「お母さんとご飯でちゅかー?」アラフォー男性が婚活で出会った“失礼女”たち…低年収・実家暮らしのシビアすぎる婚活事情』(集英社オンライン、8月11日)。独身男性が婚活中、女性から取られた失礼な態度を赤裸々に語った記事だが、どんな場面だったのか。

【映像】「お母さんとご飯でちゅかー?」という返事の元になった写真(再現図)

 記事に登場する男性を、『ABEMA Prime』は直撃。静岡県在住のヨシオさん(44)は今から8年前、36歳の時に婚活を開始した。しかし、そこで初めて自分の立ち位置と婚活の壁を知る。

「36歳になるとある程度の年収が求められる。それは婚活パーティーでも、結婚相談所でも同じだ。当時の年収は350万円ぐらいだったが、記載欄を見た途端に時が止まったようだった。年収が低いとお見合いが組めないかもしれないということで、入会を断られてしまう。私は一人っ子で実家暮らし、年収が低いという三重苦だった」

 それでも粘り強くパーティーなどに通い、中にはデートのやり取りまでたどり着くことも。しかし、そんな彼を待ち受けていたのは、予想外の出来事ばかりだった。

■「精神的な傷はかなり負った」 当事者に聞く“婚活失礼男女”の実態

 ヨシオさんがまず遭遇したのが、マザコン扱いしてくる女性。「私が送った『食事に行ってきます!』という写真に、母の姿が映り込んでいた。『お母さんとご飯でちゅかー?』という返事が来て、そこからは何を送っても返事が来ず、たぶんブロックされたのだと思う」と明かす。

 また、マイカーに対してキツイ一言を浴びせてくる女性も。「お花見デートで、現地の公園で待ち合わせをした。僕が乗っているのは国産のコンパクトカーだが、それを見た女性は『どこのメーカーかよくわからないですね』と苦笑い。その後、私の先をどんどん歩いて行って、一緒に花見をすることなく終わってしまった」という。

 ヨシオさんが4年間で会ったのは2000人以上。「一生を共にしたいと思ってくれる女性がどこかにいるのではないかと、そこを考えて頑張っていた」。一方で、「精神的な傷はかなり負った。中には女性不信になって、婚活をやめてしまう男性もいると思う。今となっては笑って話せるが、婚活前に持っていた女性のイメージとは違った現実を見せてもらえた」と、苦労を前向きに語った。

 芸人で婚活パーティー運営会社勤務のきしはやとは、「ハイスペック男性の参加が増えていて、そういった方との対比で失礼な対応が出てきていると思う」と指摘。マナー問題の実際の事例として、男性側は英語で話しかけられてうまく返答できないと「海外旅行は無理ね」と一蹴される、「一緒に歩くのが恥ずかしい」とその場で服を買いに行かせられる。女性側は「30代で婚活って」と上から目線で説教される、交際を断るとこれまでの食事代を計算したExcelが送られてくる、などがあったという。

 背景には、男性は女性を年齢で、女性は男性を年収でみることがあるそうだ。「共働きを当たり前に考える女性も増えてきているので、年収の部分は少し緩和されているように思う。とはいえ、女性が求める水準だと少し年上の方とマッチしやすいのではないか」と分析した。

■苦労を経て結婚「40歳はひとつの節目」

 そうした対応を取られながらも、会話力やデート力などの経験値に変えてきたヨシオさん。40歳の時に始めたアプリで、今の妻と出会うことができた。お相手は元エステティシャンで、父親はヨシオさんが学生時代にお世話になった人だという。妻いわく、「素直な飾らない性格が好印象」。1年3カ月の交際期間を経て結婚し、今は子どもと3人で暮らしている。

「僕みたいな条件だと相談所ではお見合いがあまり組めないので、マッチングアプリも並行してやった。アプリは最初、年収を書いていなかったのだが、そのツケは後からきた。僕の誕生日に妻がレストランを予約してくれた時、年収を聞かれて答えたら、2分ぐらい沈黙が続いてしまった。それも嫌なので『もう帰りましょうか』と言ったら、向こうもハッとしたような、まずいと思ったのか帰り際は手を強く掴まれた」

 ヨシオさんも、相手を第一印象から良いと思っていたという。「会っていくうちに、責任感が強く、『自分はこれがしたい』という自己主張もあり、それがすごく楽だった。お互いの提案に対して『それよりこっちが良い』みたいなこともなく、スムーズ。僕は妻を束縛しないタイプ、妻も自由に生活していきたい人だったので、その辺の相性も合ったのだと思う」と語った。

 ヨシオさんいわく、「40歳はひとつの節目」。「女性も29歳と30歳で変わるというが、男性も30代と40代で大きく異なる。39歳でも大変だったので、これが40歳になったらもっと大変だ。お金も300万円くらいかかったので、これ以上やっていいのかという不安があった」と振り返る。これにきしは「婚活は早ければ早いほど選択肢が広がる」と応じていた。(『ABEMA Prime』より)