デパートで買ったスイーツ(筆者撮影)

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コスメ代は基礎化粧品を含めると毎月かかる固定費にも似ていて、ちょっと贅沢にデパートで買っているなら、「株主優待」を使うことで10%割引にするのもよいかもしれません。「株主優待」をちょっとした裏ワザテクニックで、より深く楽しめる方法も紹介します。※株価は2024年9月19日終値

【写真】筆者が実際にもらった株主優待カード3枚

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はじめに

・「株主優待」とは?

私たちが株を買うと「株主」になれます。企業は株主に対し、割引券や優待券、お米やカタログギフトなどをプレゼントすることがあり、これが「株主優待」です。

・「権利付最終日」とは?

権利付最終日とは、株主がその銘柄を保有することで、配当金や優待などの株主権利を得られる最終取引日のことです。

つまり、配当金や株主優待などを取得するためには、企業が決める「権利確定日」に、株主として株主名簿に記載されている必要があります。

例えば、2024年10月の権利付最終日は10月29日、権利落ち日は10月30日です。そのため、10月に優待を実施している企業の「株主優待」の権利を受けるためには、10月29日までに株を買っておかなければなりません。

デパートで10%割引になる「株主優待」は?

「株主優待」カードを見せることで10%割引になる銘柄は、どのくらいあるでしょうか。

たとえば、高島屋(高ははしごだか)(8233※)(株価1,111.5円、最低投資額11万1,150円)の「株主優待」は、100株では、株主優待カードがもらえ、提示してお買い物すると利用限度額15万円までが10%割引になります。権利月は2月8月です。シャネルコスメなど一部対象外の商品もあるものの、高島屋の化粧品カウンターでの多くのコスメや、デパ地下でのお惣菜やお弁当、そして手続きをすれば高島屋オンラインストアの商品までも10%割引になります。

※証券コード…証券取引所に上場する企業に割り振られる識別コードです。従来は数字のみの4桁で構成されていましたが、2024年1月以降に新規上場した企業には、数字だけでなく英文字も入ったコードが設定されるようになっています。

三越伊勢丹ホールディングス(3099)(株価2,158.5円、最低投資額21万5,850円)の「株主優待」は、伊勢丹でも三越でも使え、100株でもらえる株主優待カードをお買い物で提示すると10%割引に。権利月は3月9月です。

J.フロントリテイリング(3086)(株価1,463円、最低投資額14万6,300円)の「株主優待」が使えるのは、大丸や松坂屋。他の株主優待カードと同じように、提示すると10%割引になります。権利月は2月8月です。

このほか、関東だと、銀座にデパートがある松屋(8237)(株価870円、最低投資額8万7,000円)、関西だと、あべのハルカスや上本町などに店舗がある近鉄百貨店(8244)(株価2,042円、最低投資額20万4,200円)の株を買うことでも、10%割引になる株主優待がもらえます(ただし、松屋ではレストラン・カフェは2%、近鉄百貨店ではCDや書籍は5%割引など割引率が違う店舗あり)。

デパートの「株主優待」に注目したい理由は?

これらのデパートの「株主優待」に注目する理由は、ふだんからデパートを利用する人にとっては、大きな節約効果があるからです。

たとえば、化粧品を買うためにデパートを利用している人で、毎月5,000円、年間で6万円を支払っているなら、10%割引で年間だと6,000円の節約額が見込めます。

また、仕事で疲れている時にデパ地下の総菜やお弁当を買っているなら、いつでも10%割引になるのは大きいはずです。そのほか、ご褒美でスイーツを買うタイミングや、手土産を買うごとに、株主優待カードを出して10%割引できるなら節約できたと実感できるのではないでしょうか。

裏ワザを使うことでさらにお得に使える

このデパートの「株主優待」では、さらに裏ワザのようなお得ワザを使うこともできます。

ひとつめに、高島屋では、タカシマヤ友の会の積立と「株主優待」が併用できます。

タカシマヤ友の会は、12ヵ月積み立てると13ヵ月分を受け取ることができ、満期を迎えた後は高島屋などで使える積立制度のことです。毎月5,000円の積立なら12ヵ月後に13ヵ月分の6万5,000円が、毎月1万円の積立なら12ヵ月後には13万円が受け取れるわけです(年度事務手数料、税込500円は別途必要)。

このタカシマヤ友の会の積立と「株主優待」が併用できるため、高島屋では、「株主優待」カードを提示して10%割引にしたうえで、さらに増額したタカシマヤ友の会の積立額が入金されているお買い物カードを使って支払えます。

ふたつめには、株主優待カードを持っていると催事を無料で利用できます。たとえば、過去に筆者が利用した例ですが、三越伊勢丹の株主優待カードで有料催事だった「やなせたかし展覧会」に親子で行き、2人分が無料になりました。また、高島屋の株主優待カードでは「発掘 恐竜王国展」の展覧会が家族3人分無料になりました。