『踊る大捜査線』織田裕二と柳葉敏郎の本気のぶつかり合いが「ヒットにつながった」“生みの親たち”が生配信で放談
約2時間半の生配信の中では、所轄の刑事・青島俊作役の織田裕二と、本庁の刑事・室井慎次役の柳葉敏郎の関係が本当に険悪だったのかどうかにも言及。
実際、「現場でバチバチだった」と本広監督。「織田さんと柳葉さんは芝居のアプローチが違うので、ぶつかるのは当たり前。そうならずに飄々とやっていたとしたら、ビジネスでこなしているだけ。ただ、青島と室井は水と油のキャラクターなのでぶつからないと始まらない。それを本当にやってくれたのでよかった。だから『踊る大捜査線』がヒットしたんだと思う」と話した。
君塚氏が「現場で口喧嘩になるようなこともあったの？」と突っ込んだ質問をすると、監督は「黙ります」と暴露。テレビシリーズの最終話、けん銃携帯許可をもらった青島と室井が湾岸署の廊下ですれ違うシーンで、どちらがどう立ち止まるかで2人の意見がぶつかり合ったエピソードを披露し、「演出側としては立ち止まってくれないと絵にならないと思っていたんだけど、演出無視で2人がすれ違って。結果、力強い絵になった」。本広監督は「おふたりの関係を演出に応用させてもらってた。おいしい、おいしいと思いながら」とぶっちゃけていた。
Xに投稿されるコメントや質問を随時“拾う係”のようになっていた君塚氏が「2度と2人は共演したくないと思っているのかな」と切り込むと、監督は「そんなことはないと思うけど、ちょっと『室井慎次』のネタバレになるようなことを今、誘導されそうになった（笑）」と意味深な発言も。
亀山プロデューサーはこの話題に「普段は全然なんでもないんだけど、赤いネクタイをしめてモッズコートを着たら、黒いロングコートを羽織ったら、2人とも青島と室井になってしまう。おふたりともそんなに起用じゃないから、こなそうとしないで、ぶつかっていく」とコメント。
さらに、「室井慎次で新作映画をつくりたい、という話をしたら、すぐに『やろう』と言ってくれるかと思ったら、柳葉さんは『考えさせてくれ』って。3度目の説得でやっと『やろう』となった時に、まず気にしていたことが『織田くんは了解しているんだよね』だった。もちろん織田さんにも新作映画のことは言ってあって、『柳葉さんにノーと言われてできなくなりました』と言う羽目になったら格好悪いな思っていたから、何としても柳葉さんを説得しようと思っていた」と明かしていた。
本広監督は「織田さんが『室井をやりたかった』と言ったことがあった」とテレビシリーズの撮影時の記憶を引っ張り出し、「室井ってかっこいいじゃないですか。『振り返れば奴がいる』で織田さんが演じていたのは室井タイプ。シリアスもコメディーも両方できる方だから、織田さんが『（室井を）俺がやっていたら』と考えるのもわかるし、逆のキャスティングでも面白かったと思う」と話題にすると、君塚氏は「真剣だし、シリアスもコメディもできる2人だからね。逆だらもっと明るい青島といまより怖い室井さんになっていただろうね」と同調。
亀山プロデューサーは「（配役を入れ替えたら）僕はプロデューサーから外れます」と拒否。『THE MOVIE』のラスト、病院でリハビリをしている青島の後ろ姿が映るシーンでも「青島って感じだよね。織田君じゃなきゃダメですよ」と思い入れたっぷりにつぶやいていた。
ちなみに、青島に駆け寄る看護師を演じていたのは、俳優としてブレイクする前の木村多江。本広監督は「いまや大女優になられて、このワンシーンだけの登場だったんですけど感慨深いものがありますね」と話していた。
このほか生配信では、新作映画に『THE MOVIE』で初登場したシリーズ最悪の猟奇殺人犯・日向真奈美（小泉今日子）の娘、日向杏（福本莉子）が登場するだけでなく、「いま現在の姿の真奈美も現れます」（亀山プロデューサー）といったサプライズ発表も。警察を辞め、「事件の被害者家族・加害者家族を支援したい」という想いで、少年たちと穏やかに暮らす室井慎次が着用しているベストは、警察にいたころの3ピーススーツで、彼のアイデンティティーの拠り所になっているだけでなく、「西部劇ぽく見せたかった。農夫じゃなくて、ファーマー」（同）と細かいこだわりについても語られた。
3人のコメンタリー生配信は、次週10月5日（後9：00〜）にフジテレビ系で放送される『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ！』（2003年）でも行うことが決定している。
