イスラエル、ヒズボラ指導者殺害の正当性主張 イランは報復誓う

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Maayan Lubell Maya Gebeily

[エルサレム/ベイルート 28日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は28日、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師をイスラエル軍が空爆で殺害したことについて「ナスララこそがテロリストだった」と述べ、今後何年にもわたって中東のパワーバランスを変えるために「必要な一歩だった」と説明した。

イスラエル軍は28日、レバノンの首都ベイルート南郊にあるヒズボラの本部を27日に空爆し、ナスララ師を殺害したと発表した。

ヒズボラもナスララ師が殺害されたことを確認したが、死因は伏せた。声明で、ガザとパレスチナを支援し、レバノン市民を守るためイスラエルとの戦いを続けるとした。ナスララ師の後継者については明らかにしていない。

ナスララ師の死亡はヒズボラと後ろ盾であるイラン、その同盟国にとって大きな打撃となった。

バイデン米大統領は28日、ナスララ師の死は、数千人の米国人、イスラエル人、レバノン人を含む多くの犠牲者に対する「公正な措置」であり、米国はイスラエルの自衛権を全面的に支持すると表明した。

だが、イスラエルによるレバノンへの地上侵攻は不可避かとの記者の質問には「停戦の時だ」と答えた。

情報筋によると、ナスララ師が殺害された後、イランの最高指導者ハメネイ師はイランの安全な場所に移動した。ハメネイ師はナスララ師の敵は討たれ、イスラエルとの戦いは他の兵士が続けると述べた。

イランはナスララ師殺害を受け、レバノンなどにおけるイスラエルの行動を巡り、国連安全保障理事会の開催を要請。また、イランの外交施設や代表への攻撃に対して警告を発した。

イランのイラバニ国連大使は安保理への書簡で「イランは、重要な国益と安全保障上の利益を守るため、あらゆる手段を講じる国際法上の固有の権利を行使することをためらわない」と述べた。

ロイターの中継放送によると、ベイルート南部への空爆は28日夕方まで続き、市内に大きな煙が立ち込めた。

レバノン保健省によれば、イスラエルによる攻撃で28日に33人が死亡、195人が負傷した。ここ2週間の攻撃で1000人以上が死亡、6000人以上が負傷、約100万人が避難している。