試合後、サポーターにあいさつして場内を歩く清水イレブン(カメラ・武藤 瑞基)

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◇明治安田J2リーグ 第33節 清水1−1横浜FC(28日・国立競技場)

 清水エスパルスは2位・横浜FCとの国立決戦を1―1のドローで終え、首位をキープした。後半11分にクロスから先制を許すも、同29分、途中出場のMF宮本航汰(28)が同点ゴール。今季最長に並ぶ8戦負けなしで勝ち点を72とし、3位・長崎の結果次第では最短で10月6日のアウェー・水戸戦で昇格が決まる。

 国立14試合ぶりの公式戦白星こそ逃したが、昇格へしたたかに前進した。J2新記録となる5万5598人が駆け付けた一戦。昨年12月のJ1昇格プレーオフ決勝・東京V戦に続き、聖地で引き分けとなった清水・秋葉忠宏監督(48)は「ドローまでしか行けなかったのは悔しい。勝利を届けたかったが残念」と振り返った。

 しぶとく追い付いた。1点を追う後半23分、指揮官はMF矢島、MF宮本、DF北爪の交代カード3枚を一気に切り、相手と同じ3バックで勝負に出た。推進力を取り戻すと、同29分、右サイドをつないで突破し、MF矢島のクロスにDF原が食らいつく。このこぼれ球を宮本がライン際でねじ込んで同点とした。ユース育ちのボランチは「先制されても追いつけるところは自信を持っていい」。秋葉監督も「交代選手が役目を全うしてくれた」と感謝した。

 一方、直近の5試合中4試合で先制点を献上するなど、試合運びには課題も残る。この日も前半はリーグ最少失点(20)の相手守備に苦戦。押し込むシーンは少なく、チャンスは乏しかった。指揮官は「我々はドロー以上なら首位は変わらないので慎重に手堅く入る形になった。メンタルの影響もあったと思うが、より勇敢に入れるように準備したい」と話した。

 これでホームでは今季13勝3分けとし、無敗を守った。勝ち点を72に伸ばし、2位に1差で首位もキープ。3位・長崎の勝敗次第だが、最短では次節(10月6日)のアウェー・水戸戦で昇格が決まる。Ksスタは昨季最終節で2位から4位に転落した因縁の地だ。「苦い思い出があるが、勝てば昇格に前進できる。一丸で臨めたら」と宮本。ゴールテープまであと一息だ。(武藤 瑞基)

 ◆清水の昇格決定条件 清水の2位以上が確定するのは最短で10月6日のアウェー・水戸戦となる。条件は以下のいずれかで、〈1〉清水が水戸に勝ち、長崎が29日の岡山戦から2試合で勝ち点2以下〈2〉清水が水戸と引き分け、長崎が29日の岡山戦から2連敗。