心身ともに疲れやすくなり、今までどおりにできない家事も増えてくる50代。やる必要のないことは手放して、なるべく身軽に暮らしたいですよね。ここではひとり暮らしを楽しんでいる、ようさん、みるくさん、きんのさんに「50代でやめたらラクになったこと」を伺いました。

洗濯ものは、取り込みながら“ざっくり”畳む

子どもたちの独立を機に賃貸物件に住み替え、“持たないひとり暮らし”をインスタグラムで発信している、50代のようさん。

【写真】「夜に食器を洗わない」マイルール

「どうせ家事をやらないといけないなら、できるだけラクにしたい」と試行錯誤した結果、やり方を見直したり、思い切ってやめたりした家事があるそうです。

ひとつは「洗濯ものの畳み方」。取り込んだあとの洗濯ものの山は、どうしてもそのままにしてしまいがちでした。山の下の方にある服をそーっと取ってみたら、シワができていることも。

そんなとき、雑誌で「干してある洗濯ものを取り込みながら、その場で畳む」というアイデアを見て、マネをするようになりました。立ったまま畳むので、ピシッとできていなくてもOK。ただ、20年以上この方法を続けているので、だいぶ上手にはなっているかなと思います。

また、かけて収納できる服は、物干し台からハンガーのままクローゼットに運び、洗濯ものを畳む手間を少なくするよう意識しています。

疲れて帰ってきたとき、食器洗いはしない

食事が終わったらすぐ食器を洗うのが理想と思いながらも、なかなか実践できなかったと、ようさんは語ります。

仕事から帰って、座る暇もなく夕食づくり。夕食を食べるために一度座ったら「もう動きたくない、このまま座ってテレビを見ていたい」と思ってしまいます。ですが、「食器を洗わないといけない」と頭の片隅にあるので、ゆっくりしているはずなのに気持ちがリラックスできていない日々。

そこであるとき思いきって、「夜に食器を洗わなくていい」ということにしてしまいました。これは、子どもたちと暮らしていた頃からのマイルールです。朝は元気なので、朝食が済んだら、昨日の夕食の分と一緒にまとめて洗います。

調理で使ったフライパンや鍋は、そのままにしているとシンクがいっぱいになってしまうので、調理後すぐに洗うようにしています。

時間に縛られるのをやめたら、自分を大事にできた

3人の子どもが自立したのち、48歳で離婚をしたみるくさん。昨年、53歳で中古マンションを購入し、現在はおひとりさま生活を満喫しています。

時間に縛られることが少なくなったことで、「時間になったからごはんを食べる」のではなく、「おなかがすいたら食べる」という生活にきり替えました。

「時間ごとに行動するのではなく、たとえばお風呂に入りたくなったら入る、眠くなったら眠る、という生活をしています。家には小さな時計しかないので、時間を意識しないで過ごせます。もちろん仕事や約束に支障が出ないよう、アラームはセットしています。したいことを中心に生活するので、以前よりも自分のことを大事にできるようになりました」

寝室に電気をつけるのをやめても困らなかった

ひとり暮らしを始めてから、あえて寝室に電気をつけるのもやめました。ほとんど寝るだけの部屋なので、レースのカーテンをとおして入ってくる光で十分です。

「照明は用意してあるのですが、あえてつけていません。子どもたちからも『お母さん、電気をつければいいじゃん』って言われるんですけど、別につけなくてもなんの不便もないので。この部屋にはドレッサーとクローゼットがありますが、お化粧は洗面所でしていますし、洋服も組み合わせが決まっているので、明かりの下で見なくても問題ありません」

みるくさんの暮らし方のコツ、ぜひ取り入れてみてくださいね。

50代おひとりさま、「やめる」選択でラクになったこと

心身の疲れや更年期で思うように動けない自分を意識し始める50代、丁寧な暮らしへの憧れはあるものの、ハードルは高い。「やりたいこと」と「できること」の間には大きな差があると、築50年越えの団地でひとり暮らしをするブロガー・きんのさんは語ります。

きんのさんの場合、更年期障害や親の介護の問題もあり、自分に負荷をかけすぎないよう家事をがんばらないことに決めたそうです。「こうあるべき」と思い込んでいた家事をやめることで、気持ちも生活もラクになった例を紹介します。

手料理、一汁三菜をやめる

疲れて料理をつくりたくないときは、市販のお惣菜や冷凍食品に頼ります。1週間単位で栄養バランスが取れたらOK。平日は包丁すら使わない日も多く、一品10分程度で、そのときにつくれるものを用意します。手軽に迷うことなくつくれる定番料理のローテーションで、もちろん一汁三菜にもこだわりません。

また、調理に時間をかけないために、食材は購入したときにまとめてカットして冷凍や下処理をしたり、冷凍カット野菜も利用しています。冷凍野菜はバリエーション豊富でお値段もお手頃、使わない手はありません。

手料理へのこだわりを捨て、手の込んだ料理は外食でと割りきり、普段の生活では調理に時間をかけないことで、自分時間が増えました。

在庫管理の手間がかかる、まとめ買いをやめる

日常生活に必要な物品は多岐にわたります。欠品しないように、なるべく安く特売セール品をまとめ買いしたにも関わらず、買ったことを忘れて買いたしして在庫過多になり、無駄にしてしまうこともありました。在庫を多く持つことで、消費期限内に使いきらねばと余計なストレスも加わり最悪でした。

そこで、安いときのまとめ買いをやめて、確保した収納スペースに収まり使いきれる分だけを購入する方法に変更。スペースがあいた分だけ購入するので、在庫はいつも一定で管理する手間もなし。

まとめ買いをやめたことで若干出費は増えたけれど、在庫管理の手間やものを無駄にすることも減り、精神的にラクになりました。

大切なのは自分がどうありたいか

やらなくてはいけない、でもできない自分を責めつつ罪悪感を抱きながら暮らしていましたが、ストレスを抱え無理して家事をしていると、人やものに優しくできません。大切なのは家事をこなすことより、自分がどうありたいかだと思いませんか? イライラして過ごす時間は損失、自分の笑顔のためにも「やめる」選択で暮らしを変えました。

なにをやめるかはその人次第、やめる選択で日々の生活の負担を少しでも減らしてみてはいかがでしょうか。