照ノ富士と言葉を交わす東龍(カメラ・大西 健太)

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 大相撲で昨年12月に引退した元幕内・東龍の断髪式が28日、東京・両国国技館で開催され、母国の関係者ら約250人が出席した。横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)ら現役力士もハサミを入れ、師匠だった玉ノ井親方(元大関・栃東)の止めばさみで大銀杏(おおいちょう)に別れを告げ、最後の挨拶では涙を流した。「泣く予定ではなかったですけれど、こんなにたくさんの方に来ていただけて幸せ」と振り返った。

 モンゴル・ゴビアルタイ出身で2009年初場所に初土俵を踏み、13年初場所で新十両昇進。十両50場所、幕内11場所を務め上げた苦労人は「右膝のケガに泣かされた。それでも10年間関取でいられたのはケガがあったから。ケガがなければ、すぐにやめていたかもしれない。自分でもよく頑張ったんじゃないかなと思う」感慨深く語った。

 今後は「日本のいいものをモンゴルに取り入れられたら。貿易業をやってみたい。日本とモンゴルとの架け橋になれたら一番いい」と夢を口にした。(大西 健太)